第2話 出会い②

前回のすれ違いから数日

ナミが出勤するとサイトを通した通知が来た。


あの日から、ナミがどんな子なのかと気になって仕方がなかった自分は彼女がサイトで書いている日記を一通り読んでいた。そして既にナミという女性に勝手な想像をしてハマっていた。


風俗店の女の子を好きになり追いかける事を、ガチ恋勢という事がある。ただ自分は好きになるというよりもこの子自体に興味が出たという感じだった。恋愛はトラウマになっていたというのもある。


そんな状態なので、改めて予約を取るのに躊躇いはなかった。ナミの次の出勤の日、自分の仕事終わりに会いに行こうと予約をとった。


前回同様、予約後にお店から電話があり予約確定したのでナミにあの日以来のメッセージを送ることとした。

「ナミさん、こんにちは。前回は残念でしたが、やはり一度お会いしに行きたかったので改めて予約させていただきました。よろしくお願いします。」


簡単な挨拶を込めて送った数分後

「〇〇さん、前回は大変失礼しました。改めて予約とっていただけて嬉しいです。今回は体調万全にして出勤しますので、私もお会いできるの楽しみにしていますね。」

文章の最後にはハートの絵文字がつけられていて少し可愛らしくなった感じのメッセージ。けれども丁寧な文章だった。


それから数日、予約した日になった。

朝からソワソワと仕事を片付け、同僚には定時で上がると伝えて帰宅。そのまま店が指定したナミと会う予定のホテルまで向かった。


場所は前回と同じホテル。予約1時間前に店に連絡し今日は大丈夫だと確認が取れた。


ホテルと言ってもラブホなのだが、何回入っても一人で入るラブホは緊張する。

フロントで部屋を指定され部屋の中に入ると、ガチャという音と共に扉に鍵がかかる。ラブホ入った人ならわかるだろう。大抵の場合、お金払うまで出れなくなるのである。


部屋に入り、ソファではなくベットに座り店に電話をする。部屋に入った事、部屋番号を伝え電話を切る。

そして一番緊張する時間。


写真ではクールな感じだったけど実際はどうだろう?メッセージは丁寧だったけど話すとどんな感じ?と頭の中をすごい勢いで思考が流れていく。


5分も経っていないだろう。部屋のインターホンがなり、扉の鍵が開く音がする。

「はーい、、、」

と自分の家では無いのに返事をして玄関へ


いつもこの瞬間は心臓が止まりそうになる。運命の瞬間、扉を開ける。


「はじめまして、ナミです。よろしくお願いします」

とそう言ったその女性は扉をくぐり自分の目の前へ。


第一印象は、思いっきり打ち砕かれた。

写真では少し明るめ茶色のミディアムの髪型だったのだが、たぶん脱色だろう、、、真っ白に近い髪色だったのである。

「はじめまして、よろしくです。」

そう口から出たものの、かなり動揺してたと思う。


玄関から部屋へ入り二人でソファーに腰掛け、ナミの右側に座った自分は電話で部屋に入ったと伝えるナミの横顔を見ていた。


写真では写っていなかった目元、これはメイクのせいもあるだろうがパッチリとした好みの目元だった。

それよりも目を引いたのが、右耳に沢山付いていたピアス。大小合わせて5つくらいは着いていたか、、、極め付けは話す時に開けた口から見える舌についていたシルバーの玉。舌ピアスだった。


この時点で自分が勝手にイメージしていたナミという人物からかなりかけ離れていた。ギャル系なのかな?とも思ったりした。これは後々理由がわかる事となる。


ただ、話す言葉や仕草はとても丁寧に感じた。それは部屋へ入ってくる挨拶からも感じとれたし、電話の話し声もそうだった。


電話が終わり、今回の料金を払う。すでに机の上に用意してありそのまま受け取ってもらった。お釣りもない、紳士の嗜みである。


そして少しの沈黙の後、こちらから声をかける。

「前回は大変でしたね、食あたりだそうでしたが大丈夫でしたか?」

そう聞くと、彼女はとても恥ずかしそうに

「本当にごめんなさい、家族でもらった牡蠣を食べていたら何故か私だけ体調崩したんです。もう3日ほど辛くって、、、」

今考えると、この時に見た恥ずかしそうな笑顔に心を奪われていたんだと思う。


簡単な自分の話、よく来るのとか、このお店は初めて?とか、まぁよくある話を一通り。


「じゃあお風呂行きましょうか?」

とナミに促され脱衣。この時ナミが着てたのはお店から支給されたと言っていた白のワイシャツ(スケスケ)と黒のミニタイトスカート。


少し離れた所から改めて全身を見たが、ナミはかなりスタイルが良い子だった。大きめの胸とちゃんとくびれた腰、そして一番お気に入りが少し大きめなお尻だった。尻フェチではなかったが、好きかもと思った。


ここからのいわゆる風俗プレイは割愛する。

一通りのヘルスサービスを受けてお風呂に入り服を着た。時間まで少し話してタイムアウト。


2人で部屋を出てホテルの出口へ。

「ありがとう、楽しかったよ」

と伝えじゃあねと別れた。


最初の印象のインパクトが強かったからか、当初あったドキドキ感が薄れて普通にサービスを受けて帰宅という流れだった。


これが、ナミという女性にはじめて会ったお話しです。この後、ナミに会うのは実に1ヶ月という期間空きました。

今でも、時間が経ったあとにまた会いたいと思った理由がわからなくて、ナミに2回目会っていなければその後の話もなかったし、悲しい別れになる事もなかったと思ってます。


この時8月の終わり、完全な別れまであと7ヶ月、、、

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心の片隅に ゆたもち @yuta_mochi

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