第20話

【葵視点】




 結局――


 青木家の両親は折れてくれた。


 私達は、泣いて喜び抱き合った。


 残るは、しゅうくんに報告するだけ。


 私達は、リボンをほどいてから二階にいって、しゅうくんの部屋をノックする。


「しゅうくん、入るね~」


「うん、どうしたの……って言うか、どっちがどっち!?」


 見分けがつかない私達を見てしゅうくんが困惑している。


 本当に可愛い人。


「私が、葵で」


「私が、桜だよ」


「なんで、リボンを付けてないの!?」


「私達が、二人で一人を演じてたって事を伝えるためかな」


「え? どういうこと?」


「実は、私達。毎日交代してたの」


「え? ちょっと待って! じゃあ、ぼくは、葵ともエッチな事しちゃってたってこと!?」


「うん、そうだよ。そしてめでたく二人そろって妊娠したので報告にきました」


「えぇ~! ふ、二人そろって妊娠って!?」


「ふふふ。わざと避妊させてこなかったんだから当然の結果でしょう」


 まるで悪女のように笑う桜。


 だから、私も続いて笑う。


「もう、私達の両親も、しゅうくんのお父さんもお母さんも黙らせてきたから。しゅうくんは自分の欲求のままに私達をお嫁さんにしてくれればいいんだよ」


「で、でも重婚は犯罪だって……」


「それも大丈夫。しゅうくんが選んでも良いけど、私達が順番決めてるから。それに従てくれるだけでしゅうくんは私達二人をお嫁さんに出来るんだよ」


「ど、どういうこと……?」


「つまり、最初に桜としゅうくんが結婚して。離婚したところで私としゅうくんが結婚すれば犯罪にならずに済むんだよ」


「そ、そんな、ことが、できるの?」


「うん、できるよ」


「ふふふ。それとも。しゅうくんは、私と葵、どっちかを選べるの?」


「そ、そんなのできるわけないじゃないか!」


 私達は二人そろってうなずきあう。


「「私達を、しゅうくんのお嫁さんにしてください!」」


 もちろんOKをもらった。


 こうして私達の計画は完遂したのである。




 おしまい 

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双子の策略 日々菜 夕 @nekoya2021

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