§3ちぐはぐ・ランゲージ
"Küv rasum rke Outha! Ei maj finpii gradenva küv rasumüce "
またしても長文を喋っている、しかし文の中で、オオタと言っているし表情の曇りが晴れている気がする。きっと名前は伝わったのだろう。この言語、だんだんわかってきたぞ。クヴ レスム レケ 〇〇で相手の名前を言うんだ。さしずめ英語のyour name is 〇〇って感じだろう。
そうと決まればまずは彼女の名前の確認と行こうじゃないか。
クヴ レスム レケ マシュカ ?
疑問詞文の作り方なんて全く分からないから、相手を指さしながら申し訳程度に語尾を上げてみた。
"El Eiv rasum rke mashka."
少し間を置いたのち、にこやかに答えてくれた。なんと可愛い事だろうか。文脈から察するにおそらく彼女は私の名前はマシュカです。と復唱してくれたのだろう。最初のElは先ほどうなずいてくれたことからわかるように、YESとかそんな感じの肯定する言葉なのだろう。クヴではなくエイヴにすれば自身の名前を表せるのか?
エイヴ レスム レケ オオタ
"
彼女は多分わかった的なことを言っているのだろう。だいぶ日本語訛りであるけどだんだんこの言語をつかめてきた。英語でいうIはEiでmyはEiv、Küはyouでこれにvが付くとyourとなる。
完璧だ!俺はついに自己紹介をマスターしたぞ!!
舞い上がってはみたものの正直、My name is 、Your name isなんて言葉だけでは生活なんて到底できない。何なら言語だけに固執していたが食や住はどうするのか?いま俺は大海に何も持たずして放り出されたことを痛感した。
グウウウー
食のことについて考えに耽る自分を破るように、威勢よく腹の虫が声を上げる。こんな考え事をしたら腹の一つや二つは減るだろう。
"
彼女は何かを聞いてきた。
ご飯をもらえると思った俺は何の迷いもなく肯定した。彼女はおなかすいてるの?と聞いたに違いない。
"Fenadz eim!!"
彼女はおもむろに走り出して、手招きをした。
重い腰を上げて可憐な背中についていく。急に立ち上がり若干ふらつく頭は走るうちにだんだんとさえてきた。今更気付いたが、周りには様々な木が日光を遮らない程度に生えている、鬱蒼としておらず、植物の若々しい気持ちよささえ感じる。ここは人間の手入れが入った里山なのだろうか?
異世界の可愛い女の子落としたいけど文化も言語もわからない @Bekong_45
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