無理です。

スロ男(SSSS.SLOTMAN)

三月末日

 えーとですね、無理です。なんで仕事してるときのほうが書けるんだおかしいだろ色々と!

 とゆーことでテノヒラの続きは書けませんでした。眠いです。もし私がザコシショウなら「眠くなっちゃった〜」とやっているところです。


 なんでしょうね、KACのお題と自作で出したキャラ全部の作品を書こうとしてプロローグの部分で止まっていて、目黒書店の続き(は連作短編にする予定)を書くには気力がないから思いつき作品を上げとけ、と思ったらそれが一回で終わらない、とかもうね、なんというか……ふふ、人間だもの。


 しかし最後が近況ノートと何も変わらない駄文で締め括られるというのもなんなので、恒例のお蔵出し三題噺でもおいておきます。


 三作あって、どれにしようかとも思ったのですが、一番くだらないものではなく、一番ぐちゃぐちゃなものでもない、一番中途半端な作品にすることにしました。


 まさに(私の)〆にふさわしい一品だと思います。それでは、どーぞ。


(酒のつまみになる話を横目で見ながら)


     *


「横綱」「都市ガス」「エンサイクロペディア」


 僕が子供の頃、チャイクロという本というか全集みたいのがあって、いまにして思えばそれはきっと「チャイルド・エンサイクロペディア」の略なのだと思うのだけれど、本当に日本人はノタリコンの好きな人種だと思う。

「ノタリコンってなによ?」

「言うまでもなく、ゲマトリア、テムラーと並ぶカバラの手法に決まってるじゃないか」

「あんたと話してるとホント頭痛くなってくるんだけど説明する気ある?」

「ある。例えば君にわかりやすく説明するなら、『らき☆すた』とか『はいふり』なんてのはノタリコンの一種だし、『木場修』とか『安寅』なんてのもそうだ」

「おお! なる! てことは『ヨコシマなる執事、繋ぎ止める術を知らずして主人の身に杭を打ち込む』が通称『ヨコヅナ』みたいのもノタリコンなのか〜!」

「それは横綱に失礼だろ大体杭ってなんのメタファーだよ」

「あんた、流石にもう歳なんじゃないの? 頭堅い。田山花袋」

「田山花袋はけっこう柔軟だけどな『少女地獄』とか」

 そんな話どうでもいいじゃない、と言わんばかりにアキは僕にもたれかかり、シャンプーなのだろうか、甘い匂いでくすぐってくる。

 匂い。

 都市ガスは本来ほとんど無臭なのに、あえて玉ねぎの腐ったような匂いを付加しているという。電気自動車がモーターだけで走ると無音で危ないからと、わざわざ音を出す装置をつけているように。

 と、考えるなら女性が甘く、惑わす匂いなのは、そこに危険があるからなのか?

 へたすれば自分の娘であってもおかしくないような小娘の匂いに翻弄され、酩酊した頭と本能の囁きで伸びる手を止めることができず、僕は眩暈にも似た感覚に流される。


 象のハナコのことを知ったのは、確かチャイクロでだった。


 知識が増え、経験が増えようと、僕は未だに子供で、けなげな象のことを思うたびにこう考えてしまう。

 おまえは賢いな、毒の入った食べ物は、鼻ではたき落すもんな、と。

 そして僕は鼻の下を伸ばし、アキの乳房へと手を伸ばす。

 二十歳の小娘を前にして手を出さないことを、ノタリコンで「やらはた」という、わけがない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

無理です。 スロ男(SSSS.SLOTMAN) @SSSS_Slotman

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ