8/11 映画「ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:」感想



 もちろん観てきたぜ、ぼざろ総集編映画の後編!!

 前編「Re:」のときは、公開初週の日曜に観に行ったにもかかわらず先行入場者特典(作者はまじあき氏の描きおろしマンガ)もらえなかったんですが、今回は! ちゃんと特典マンガももらえまして! やったぜ!


 というわけで、今回も感想をまとめてみます。

 例によって映画の内容にも触れますので、まだ観てないかたはご注意ください。




 なお、ここまでのぼっち・ざ・ろっく!感想は、以下のページにまとめてあります。よろしければ、こちらも合わせてご一読ください。


TV版『アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」感想』

https://kakuyomu.jp/works/16817330655068808563/episodes/16817330656535741790


総集編映画前編『映画「ぼっち・ざ・ろっく!Re:」感想』

https://kakuyomu.jp/works/16817330655068808563/episodes/16818093077896998774




■前編みたときの予想

 上にリンクを貼った前編「Re:」の感想で、「TV版の残り4話分だけでは、90分映画の尺には足りないんじゃないか?」と僕は述べました。

 そのうえで、「Re:Re:」がどうなるのか、と考えた結果……


(予想1)

 「Re:」ではバッサリ省略された茶番部分を採用して、90分持たせる。


(予想2)

 文化祭ライブ終了後、まさかの新規作画で「ぽいずん♡やみ14歳」登場!! TV版最終回後の原作エピソードをなぞって、ぼっちちゃんの「結束バンドでグランプリ取りましょう!」のキメ台詞とともに「TVアニメ第2期に続く!!」のサプライズ告知!!


 この2つの予想を立てたわけですが。

 というか、(予想2)が当たることを期待していたわけですが!


 予想的中……しませんでした!!!!


 いやー。やっぱ、あかんかー。


 基本的には(予想1)に近いものでした。「Re:」ではほとんど削られていた茶番シーンを、7~8割がた程度は採用する形でゆったりと尺を取り、さらに、細かな部分で新規作画の追加シーンや新録ボイスを加えて、77分にまとめあげた。

 そう、77分でした。見終わって「あれ? もう終わり?」と思ったら、やっぱり「Re:」より15分ほど短かったんですね。正直言うと、ちょっと食い足りないなー、という印象。


 とはいえ、細かい部分での改変・改良は良かったですし、前後編あわせて「ここからぼざろに入る人へのとっかかり」として最良のものになっていると思います。




■追加シーンについて

 「Re:」にはほとんどなかった追加シーンが、「Re:Re:」ではふんだんに挿入されておりました。


 その中でも特に注目したいのが、これまで原作でもTV版でも「Re:」でも一貫して省略され続けてきた「台風ライブのときに結束バンドが演奏した3曲目」。これが「Re:Re:」でお披露目され、それによって「ぼっちちゃんがスーパープレイで場の空気を立て直した後の『お客さんはみんな満足してくれた』ライブ」の様子が初めて描写されました。


 いいですね! まあ、主人公が最大の困難を突破した後の様子なので、言ってしまえば消化試合なわけですから、これまでずっと省略され続けてきたのは分かる。ドラマ的には要らないもの。

 でも、ここまで来たからには見てみたいよね! 結束バンドが安定した演奏で観客を魅了する姿を! という欲求を、見事に満たしてくれました。



 また、喜多さんがぼっちに罪を告白する(そうとしか言えん)あのシーンの後、喜多さんがぼっちの手を握ったまま二人で帰っていく姿が地味にボイス新録で描かれていて、「なんだよ! 妙に百合っぽくしやがって!! ちくしょう!! 許す!!」って思いました。


 正直言うと、ぼっちざろっくのキャラ関係を「百合」として解釈するのはちょっと違うんじゃないか、という考えではあるのですが……(結束バンド4人の関係性は恋愛じゃなくて「熱い友情」と「仲間意識」、そしてなにより「尊敬」だろう、と思うので)

 ま、これだけ百合モノとして楽しんでる人がいる以上、こういうサービスもありだよね! という感じです。



 他にも、喜多さんが帰宅するところを虹夏ちゃんが呼び止めて自販機前で話す、という、かつてぼっちと虹夏ちゃんでなされたシーンの再現がしれっと挿入されておりました。音声無しだったので会話内容は分かりませんが、たぶん、ぼっちに尋ねたのと同じことを喜多さんにも尋ねていたのではないか?

 つまり、「喜多ちゃんは、どうしてバンドしてるの」と。


 露骨にぼっちに問うた時のシーンと状況や場所を重ね合わせることで、会話なしで会話内容を充分に想起できるよう工夫されている。そして、その問いの答えは、その後の文化祭ライブや保健室での会話を見れば読み取れる。

 最小限の挿入でテーマ性をぐっと深く掘り下げる、とてもいい追加シーンだったと思います。



 その他、細かな追加シーンは把握しきれないほどありました。いずれまた見返して、TV版との違いをじっくり分析してみたいですね。




■茶番について

 TV版第9話の江の島回の茶番は、冒頭からたこせん食うあたりまでを採用、その後はダイジェスト。第11話の文化祭に至っては1話分をほぼ丸ごと省略せずに使用しておりました。

 「Re:」のときに、「確かにキレよくストーリーはまとまってるんだけど……ぼざろは、あのしょーもない茶番が面白いって側面もあるしなあ……!」と痛しかゆしの気持ちだったことを思えば、「Re:Re:」は、ぼざろの魅力を余すことなく発揮していて、いいね! 思いました。


 やっぱな。ぼっちちゃんのカッコいいところは大好きなんだけどさ!! ヒトの範疇を超えた変顔と変形で奇行に走るぼっちちゃんが、やっぱり見たかったというか! そういうところまで含めて後藤ひとり! お前が人間国宝ー!!


 そんな感想です。




■ラストシーンについて

 ラスト、TV版の最後のセリフである「今日もバイトかあ」の後に、短い改変がありました。


 ぼっちが電車移動するシーンが挟まれ、さらに、これまでの出来事を逆回しでフラッシュバックさせていくような演出ののち……なぜか、幼稚園で皆の輪に溶け込めずにいた後藤ひとりの様子が描かれて、そのままスタッフロールへ移行。


 はて?


 この幼稚園でのシーン自体は、TV版第1話の冒頭で描かれたものです。(原作にはない、アニオリの導入)

 「Re:」のときにオミットされていたシーンを、なぜかこのタイミングで、しかも妙に意味深な時間遡行の演出と共に提示する……これは、いったいどういう意味なのでしょうか。


 ストーリー的には、ぼっちは長年の夢だった文化祭ライブを見事に成し遂げ、「夢をかなえた!」という成功・成長物語的に綺麗な着地点でした。それなのになぜ、最後の最後になって「ひとりぼっちだったころの自分」の回想を描いたのでしょう?


 正直、この演出の意図は、よく分かりません。

 ひょっとしたら、今後来るであろうアニメ第2期に向けた、なんらかの伏線……あるいは僕が気づいていないストーリーの軸が、今回の「Re:Re:」に仕込まれていたのか……


 これは、次に見るときに考えながら見てみたいと思います。




■で。

 第2期の発表はまだか!!!!????

 俺の大好きなぽいずん♡やみ14歳の出番は!?

 そしてぼざろ最強のおもしれー女、大槻ヨヨコの本格参戦はまだかよ!!??


 俺は……待ってるぞ!!

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