6/9 映画「ぼっち・ざ・ろっく!Re:」感想
この金曜に公開されたばかりの総集編劇場版「ぼっち・ざ・ろっく!Re:」、さっそく観てきました!
面白かったので、感想をまとめてみます。
映画の内容にも触れますので、まだ観てない方でネタバレ回避したい方は、ご注意ください!
なお、TV版については、以前に感想をまとめてあります。
よかったら、ぜひそちらも合わせてご一読ください。
『アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」感想』
https://kakuyomu.jp/works/16817330655068808563/episodes/16817330656535741790
■映画の構成について
かなり綺麗にまとまった総集編、と言えるのではないでしょうか。
TVアニメ版第1話~第8話、つまり台風ライブ編までを、90分強のストーリーとして、ソツなくまとめあげている印象。
というか、結果的には「原作漫画1巻を映画化しました!」という体裁に近い。
ぼざろに全く触れていない人の入口として、これ以上のものはないでしょう。初心者にオススメ!! まずこれを見ろ!! と自信をもって言える。
ただ、原作では単行本1巻分、TV版では30分番組8本分もある話を、わずか90分にまとめた、ということは……
割を食ったのは茶番シーンでした。ほぼ丸ごと削られておりました。
つまり、仲間が集まってバンド活動をがんばっていく、という映画に仕立て上げた感じです。印象としては、原作やTV版より、だいぶシリアスなバンド映画。
たぶんそうするんじゃないかな、と事前に予想していたとおりのコンセプトで、たいへんに手堅く、しっかりしたストーリーになっていると思います。
でもなー……!! ぼざろは、あの茶番が面白いってとこもあるしなー……!!
ぼっちちゃんの変顔もっと見たかった……あのシーンもこのシーンも捨てがたかった……!!
とはいえ、尺を考えればしかたのないところ。
この映画をみて「おもしれえじゃん!」と感じた人には、ぜひTV版も見てほしい! 原作も読んでほしい!
ぼっちちゃんも喜多ちゃんもアル中おねーさんも、みんな本当はもっともっとヤベーやつだから!!! ホントどうかしてるからあいつら!! 映画版の顔は
■映画でのストーリーの変更点について
変更、というほどではないのですが、わずかなシーンの組み換えによって、映画全体に一本のストーリーの軸を通す、という試みがなされているようでした。
TV版では中盤にでてくる、「自販機の前で、虹夏ちゃんがぼっちちゃんに、『なんでバンドやってるのか』と問うシーン」。
これが、映画版では冒頭でいきなり来ます。
その後、ぼっちちゃんが回想する形で原作第1話に繋がる、という構成。
なぜ、このシーンを冒頭に持ってきたのか?
それは、映画全体に「ぼっちは何のためにバンドをやるのか?」という軸を通すためと思われます。
はじめ、「ちやほやされたい」という、シンプルな欲望のためにバンドをやりたがっていた後藤ひとり。
しかし、仲間たちとバンド活動やバイトをしていく中で、少しずつ精神的に成長していく。
そして最後に、「居酒屋前で虹夏ちゃんと話すシーン」で、その結論を出す。
「何のためにバンドをやるのか?」
その答えこそが、ぼっちちゃんのロック――「ぼっち・ざ・ろっく」なんだよ!!
というストーリー。
このストーリーの軸自体はもともと存在したものですが、原作では、オーディションのあたりから導入されて、台風ライブで完結する、という流れになっていました。
その導入を原作第1話より前に持ってくると、あら不思議、全てのシーンがこの大テーマにそって展開しているように、受け取り方が変わってくるんですねー!!
総集編映画は、とかく全体の構成がとっちらかってしまいがちで、正直、あんまり好きな作品が無いんですが……
今回のぼざろ総集編は、最小限のシーン順序の入れ替えだけで、一本の映画として見事に芯を持たせた。すばらしい手腕だったと思います。
■演出の改善点について
全体的に、TV版より音響がすごかった!!
これは映画館の音響のおかげなんだろうか? 演奏の迫力が、TV版を見た時の印象よりはるかに凄かった。これホントに同じ音? 分からん。けど、とにかくよかった!
そして、最大の演出の改善点。
それは……
台風ライブの「ギターヒーロー覚醒」のシーンで、ぼっちちゃんのセリフを、全部削ったこと!!
これだよ!!
これは大英断!!
TV版見た時からずっと思ってた! このシーンに言葉は要らねえ!!
というか、ヒーローに言葉は要らねえ!!
ヒーローは、拳で語るんだよ!!!!
という感想。言わなくたって充分伝わるセリフを削ることで、映像と音楽だけで全てを
一体何十回リピートしたか分からない大好きなシーンが、ますます演出のキレが増して、僕はさらにこの作品が好きになりました。よかった!
■残念に思った点
さっきも述べましたが、各種茶番シーンがほぼ削られていたのは、しかたないと理解できるとはいえ、残念でもありました。
たぶん尺がギリギリであろう中で、「承認欲求モンスター」とかの印象的なところを残してくれたのは、良かったとも思います。
でも「承認欲求モンスター」は……! 「焼野原になった街で、膝を抱えて座ってるモンスター」のカットだけは……! あれだけは残してほしかった……!
あの絵は承認欲求モンスターの悲哀を見事に表現しきってる……あの絵にこそ、承認欲求モンスターたちは共感するんだよ……!
■次、どうなるんだろう?
事前の予想通り、総集編映画前編Re:では、第8話の台風ライブまでが扱われました。
……これ、後編どうするんだろう?
次は当然、文化祭ライブ編ってことになるんでしょうが……そうすると残り4話分しかストーリーがなく、しかもその半分は、今回ごっそり削られた茶番回である江の島回と文化祭めぐり回。
今回と同じように、マジメにバンド活動やるシーンだけ集めていくと、とても90分に足りないような……
とすると、後編はもっとゆったり時間を取って、茶番もしっかりやってくれるのか?
あるいは……何かびっくりするような仕掛けが施されていたりするのか?
たとえば……新規作画シーンでサプライズ登場、ぽいずん♡やみ14歳!!
からの「結束バンドでグランプリとりましょう」!
からの「TVアニメ第二期に続く」とか!!
妄想膨らむ!! 夢が広がる!! 後編も絶対観に行きます!!
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