第5話 家庭教師が最強とか聞いてないよ


一週間が経って家庭教師が来る日だ。

いやーこの一週間マジでそわそわしてたよ。

まぁ普通に妹と遊んでたけどさ。


もうちょっとしたらお兄ちゃんと結婚する!とか言ってくれるんだろうか…あ、でもお兄ちゃん嫌いとか言われたら俺死ぬかもしんない。


「四季、家庭教師を連れてきたぞ」


そう言われて来たのは少し弱そうなおじさんだった。よれよれのコートを来て軽く髭が生えていた。

それに何より、覇気が隙がない

なんだこのおっさん、弱そうに見えるのにまったくと言っていいほど隙がないぞ。


「四季、この方は俺と同じ九頭竜騎士にして四季と同じ刀を使用される東さんだ」

「こんなおっさんだけどよろしくね~」


そう言いながら手をヒラヒラさせている。

九頭竜騎士ってこの国最強じゃん、家庭教師なんかにしちゃダメだよこの人!


「じゃあ、父さんは仕事があるから東さんと交流を深めるなりしていてくれ」

「あ、はい」


ヤバイ気まずいよ俺。まともに大人と話したのこの屋敷の人くらいなんだって。


「四季君は強くなりたいのかい?」


「まぁ、そうですね」


「どんくらい強くなりたい?」


「それなりには」


「うーん、ダメだねぇ。強くなりたいのなら最強を目指さないと」


「え?」


「それなりの強さなんて勿体ないノンノン、僕はそれなりに強くなりたいなんて言う子に教える気はないんだ」


そういうと気配が変わった


「もっと上を目指そうよ、四季くん」


そういうと覇気がなかったさっきとは比べ物にならないほどの殺気。

これがこの国最強の騎士か。こっわ


「…手合わせ、お願いします」


そういうと俺は神器を取り出した。

流石に焔絶に魔力を流すことはしない。


「ねぇ、四季くん。僕は本気で来いって言ったんだ。その神器、全力で使いなよ」


ここまで言われて本気を出さないのも男じゃないな。

仕方ない、魔力全快じゃい。


まず前に突っ込む、と思わせて空間魔法で後ろを取る。


「オッラァ!」


まぁ簡単に防がれる。こんなんで勝てるとは思ってない。

ジャンプして回転切りのモーションに入った瞬間に足元へ転移、からの背後取って防がれた瞬間に正面に出て叩き下ろす。


全部防がれたー…まるで転移の場所がわかってるように刀を置いてくる。

その後も五分ほど戦いが続く


「んー、ここまでにしようか」

「はぁ、はぁ、はい」

やっべ疲れた、転移使いすぎたかな


「筋は良いよ。ただ魔力が駄々漏れすぎる」


「え?」


「いや、他の相手雑魚なら別に良い戦法だとは思うよ。でも僕とか君のお父さんくらいになると魔力察知で気づかれてそこが隙になる。隙になるとカウンターされて君が押されるってわけさ」


そんなことできんのかよ…いやー悔しいな


「悔しいでしょ、これが戦場なら君は殺されるんだ。それでもまだ君はそれなりとかいう強さを求めたいかい?」


いや、もう考えは変わった


「いえ、最強を目指します」


「おーいいね、その目。小さい頃の君のお父さんとそっくりだよ」


「てなわけで今日は魔力の勉強をしよう」


え、この流れでまだ勉強すんの…?


「まず一つ、魔力察知はスキルなんだけど僕が使った魔力察知は自前だ。なんでか分かるかい?」


「…わかりません」


「答えは簡単さ。魔力察知を使うと魔力察知に引っ掛かるから。スキルで使うと魔力が軽く放出されるのさ。まぁ魔力察知を検知できるやつは少ないけどね」


「何が違うんですか?」


「スキルの魔力察知は魔力を使って魔力を検知するけど僕の魔力察知は体で覚えてるから魔力は放出しないんだ」


ようは強者同士で戦った場合スキルの魔力察知を使うと場所がバレたりするってことね。

そこで先手を打たれたりすると確かに厄介だ。


でもアズマさんの場合相手が魔力察知を使っていることに気づけるけど向こうは気づかないわけだ。隠密性能たっか

いやこれできる人バケモンでしょ。


「まぁこんなもんだよ。君が転移を使って僕を攻撃するときは極限まで魔力を悟らせずに発動するしかないよ」


えーそれ五歳児に求めます?


「あと大五くんとの契約は4年、君が9歳になるまで僕が師匠だ。よろしくねー」


いやーバケモンだけどこの人に師事すれば俺は強くなれそうだ


「よろしくお願いします!」


俺は最強を目指す


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焔と冰の少年は最強へと駆け上がる 熊の手 @kuma_2028

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