第3話 出会い

キーンコーンカーンコーン!


「学校!しゅーりょー!!!!!!!!!!!」

「ああもううるさいなあ!」

「だって!だって!やっと学校が終わったんだよ?あの長くつらい二日間を乗り越え!やっともう一度灰兎きゅんのことつけれるんだから!」

「あーもういってることが怖い」

「そんなのどうでもいいんだよ!」

「完全に暴走してやがるぜ」


さっそく私は灰兎君の追跡を始める...


「さーてさて先ずはどこへ行くのかな~」


まず灰兎君は喫茶店に出向く、私も入店し、灰兎君の一つ奥の席に座わる


「ご注文は何にいたしましょう?」

「あえっと...このお店で一番おいしいやつお願いできますか?」


灰兎君にもそんなミーハーなところあったんだーっと私は謎の感動を味わいながら私も店員さんに同じのを頼んで灰兎君と完璧に同じしぐさでコーヒーをたしなむ。

これぞ灰兎君ごっこだ。


「ありがとうございましたー」


灰兎君が店内から去っていき、私もお店を去る

灰兎君次はどこへ行くんだろうか…



~※※※~



おかしい...いくら何でも色んなとこに行きすぎだ

それもゲームセンターや玩具屋、服屋など、多種多様な場所だ。

まるで何がいいのか分からないからとりあえずいろんなところへ行こうとするみたいに...


「はあー」


灰兎君は深くため息をつく、たぶんそろそろ電車にのって家に帰るころ合いなのだろう...

毎回これぐらいになると灰兎君は深くため息をついて駅のほうへ向かう...これは毎回思っていたことなのだが、何故灰兎君は深くため息をつくのだろう...あまり家に帰りたくないからなのか、ただの反抗期か...それとも......



~※※※~



いけるとこは全部行った...里香さんはどれか一つ楽しめることはあっただろうか...

今日で死んでしまうのだ、何か一つ最後にいい思いをさせてあげたかった...


「ごめんなさい...」


僕は無人駅のベンチでぽつりとつぶやく...

だって、そろそろ【ガードマン】が殺しにかかるはずだ。

僕はこのまま無人駅から電車に乗って、彼女はその前の裏道で今頃命を落としてる。

特に好きな人ってわけじゃない好きな人っていうのがどういうものかわからない...

僕が高校卒業したらきっと本当にもうあの部屋から出られない生活が始まるんだろう。

もしかしたらこの最後の一年、学校生活をさせてくれるのは僕に外への希望を絶たせる、姉たちの策略かもしれない...ああやって僕に近づいてきた子を無残に殺して、僕は絶対に逃げられないし逃げようとも思っちゃ行けないという、最悪の警告なのかもしれない...

ただただ、僕は青春がしたかった...青春なんて望めずに、あの子供部屋で義務教育の大半を終えた。僕がふと見てかわいいとつぶやいたマイナードラマのヒロインは翌日に連れてこられて僕の目の前で殺された。そしてこんな人に恋しちゃダメと“おしおき”された。

今回も同じだ、僕は永遠に姉たちの愛玩具なんだ...

出発まで時間がある。【ガードマン】に頼めば供養ぐらいはさせてもらえるかな?

僕はベンチから立ち上がり裏道のほうへ足を運ばせる...



~※※※~



私は考えていた...駅へと淡々と足を運ばせる灰兎君を追いながらずっと考えていた。

私は人を殺せるだろうか...もし灰兎君が家でつらい目にあっているんだったら私はそんな原因を取り除いてあげたい...つまり場合によっては殺さなければいけない...私にそんなことできるだろうか...

私は駅前の裏道を横目に通り過ぎようとする...


「本当に殺せるのだろうか...例えば















お前みたいな奴を」


私は首元を狙って放たれた手刀を右手で受け止めてそのまま背負い投げを食らわせる


「クッ」


私を襲撃した犯人はいかにもな黒髪メイド姿に黒マスクに黒い手袋をした身長176くらいの女だった


「あれだな...20年も経てば人気が出そうな格好だ」

「それは褒めているのか?」

「毎日毎日手刀され続けた人がしてたやつを褒めるとでも?」

「なら馬鹿にされにされているということだな、地味にショックだ」

「なんかいつにもまして殺気立った雰囲気出してたけど私殺されるところだった?」


私は向ってくる謎メイドの拳をすらりとよけ拳を叩きこもうとする


「お前を殺せば多額の報酬を得られる、それ故に殺気立ってしまったか、地味に反省だ」


謎メイドは話しながら私の拳をすらりとかわし、そのまま拳銃を取り出し私に打ち込もうとする


「案外おしゃべりだね、もっと無口なキャラかと」

「ああしゃべるのは好きだ、だが好きすぎて情報を漏らしてしまうことがある、地味に欠点だ」


幸い距離は近いので私は素早い蹴りで銃を蹴り上げ遠くへ飛ばす


「お前ほんとにただの女子高生か?私についてくるその身のこなし、地味に脅威だ」

「そうですけど何か?恋する乙女は戦闘力がいかれてんのよ!」


お互いがお互いに肩をつかみ動きを抑え合っているため、どちらもなかなか動こうとしない、そろそろ決着をつけたい...あれ拾うか。


「どうやら狙いは同じ拳銃のようだな、地味に競争だ」

「地味も何もただの競争だろうが!」


私は全身全霊をかけて銃を取りに行く、しかし相手のほうが少し早く、謎メイドに奪われてしかもその瞬間に打たれてしまった。

打たれた弾丸をは私の肩を少しかすめる、私は急いで肩に手で押さえる


「あ、いっったああああああ!?」

「どうやら決着がついたようだな、地味にがっかりだ、せっかくいい勝負だったのに」

「はあ...はあ...はあ...」

「それじゃあこれでバイバイだ、恨むなら灰兎様を恨め私を恨むのは、地味に逆恨みだ」

「いいや!誰も恨まない!勝つのは私だから!」


私が肩を抑えてた手を謎メイドのほうへ向け、ためておいた血で目くらましを行う...


「んな!目に血が!」

「今!」

「ぐふ!」


私は急いで謎メイドの首を絞める。


「はあ、はあ、このままだと私は気絶するな、地味に万事休すだ。私が気絶した後どうする?」

「放っておいてやるその代わりに二度と私と灰兎君の前に姿を現すな!」

「殺さないか...地味に女神だな...良いだろう...私は金で雇われた身だ...ここらで被ひこう」


そのまま謎メイドは意識を失い気絶してしまった...


「かね?おい!どういうことだ!ただのストーカーじゃないのか!おいこら!」


ああ!もう!勝手に倒れやがって依頼主はどうさがそ


「さとか...さん?」

「え?」


やばいバレた!どうしよどうしよ!今から言い訳できるか!?


「あえっとこれは別に殺人現場ってわけじゃなくて別に首しめてたとかじゃかなくてですねえええええええええ!?」


私が一生懸命弁明していると灰兎君は急に抱き着いてきてくる、華奢で小柄なその格好で抱き着かれたら、もう体中の穴という穴から汗がだらだら出てくる...その可愛さに心が打たれてゆく...そんな中彼は告げた。


「お願い里香さん!僕を...僕を地獄から助けてください!」


その言葉を告げた彼の瞳とそこにある、うるんだ涙に私は一つの決心をした。


「うん、救うよ」


そのセリフがどれだけ重いものか...そんなのは全然分からなかった。

ただ、笑ってほしい、私の心にはそんな想いが覚悟が募っていくのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヤンデレっ子はアノ子を救いたい タカメイノズク @takamei2

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ