この恋は甘くドキドキする

春田 青

第1話 初恋の始まり

私たちの学校では中学校3年生の夏、3年間の総復習として補習合宿がある。2021年から始まったこの合宿は勉強合宿なんだけど高校デビューも近いからカップル爆誕合宿とも呼ばれている。私は今 〇〇県の北部にある合宿施設に来ていてクラスごとに補習授業を受けている。この後はBBQで学年全体での夕食となっている。班は学年でクラス・男女でシャッフルされ4人1組となる。もうメンバーは決まっていて、私 西崎沙良(2組) と相川希美さん(1組) ・白石日向くん(1組)・山本勇太くん(3組)で1つの班になった。他の3人とは顔も知らないし、会ったこともない。このBBQこそが高校でのカップル爆誕の理由で、私の学校は基本的には中学校3年間は同じクラスのメンバーで構成されているからあんまり他のクラスとは関わりがない。1組は最も成績が優秀なクラス・2組は普通・3組は優秀なメンバーと普通の成績のメンバーのシャッフルクラスで私は普通でも下の方だと思う。中学受験をして受けたこの学校は高校受験もないことから人気で高校生になると中学校の頃よりもかなり自由になる。アルバイトもOK・メイクもOK!そんなあこがれの場所だと思っていたけど中学時代は他の学校よりも校則が厳しく恋愛禁止なので、みんな恋したくても片思いで中学時代は終わってしまう。もし先生に付き合っていることがバレたら退学処分、それほど厳しい学校である。補習授業が終わるとBBQ会場に向かった。もう他の3人はそろっていて、相川さんは美人で顔がはっきりしている女の子でとても優しそうだった。白石くんは爽やかでかっこよくて、話しやすそうだと思った。山本くんはメガネをかけた優秀そうな子だと感じた。みんなにまず「2組の西崎咲良です。今日はよろしくお願いします」と言うと、みんながよろしくねと言ってくれた。初めに呼び名を決めようとなって咲良はさらちゃん、希美はのぞみん、日向はひなたくん、勇太はゆーくんということになった。そしてBBQの準備に入り、肉を焼いていった。BBQでは牛のカルビの他に牛タンや野菜などのたくさんの食材があった。さすが私立の中高一貫校だと思いつつ他のメンバーとも肉などを焼きながら話した。まずはこの合宿が高校生に向けてのカップル爆誕合宿と呼ばれていることが話題になり、のぞみんは「私は恋愛はあんまり興味はないけど一度は恋愛してみたい」と言っていた。日向くんは「僕、高校生になったら恋愛してみたい。だって中学校時代は恋愛禁止だけど高校生になったら恋愛できるし。あとデートっていうものもしてみたい。例えばお祭りデートに食べ歩き、そして遊園地デート。なんだか考えるだけでワクワクするよね!」って言っていてうぶでかわいいなと思った。ゆーくんは「自分は恋愛など興味ないですね。私には推しがいますから」と言っていて推しは誰なの?と聞くと「アイドルの〇〇〇〇ちゃんです」と言っていた。私も知っていたので「その子かわいいよね」と言うと「そうそう」と嬉しそうにしていた。私も日向くんと同じで高校時代になったら恋をしたいなって言ってこの話は終わった。そうしているうちに肉が焼けたのでみんなで食べた。最後にせっかく同じグループになったことだし、連絡先を交換しようということになりみんなと連絡先を交換し、BBQは終わった。その後宿舎に戻り、クラスの女子4人(私、はるか、あおい、しおり)と一緒に今日あった出来事などを話し、寝た。2日目の朝は2時間ほど補習があり、その後学校が用意してくれたバスに乗って方面ごとに帰宅した。私はこの2日間で思ったことがあり、昨日一緒にBBQした日向くんは爽やかでかっこよいし、そして私のタイプだと思った。でも今は恋愛はできない。もしバレたら退学になるし・・・・・・この気持ちをおさえつつ、でも日向くんが気になるなと思った。そして夏休み終盤、家族で買い物をしていると偶然日向くんを見かけた。彼も家族で買い物に来ていたみたいで私が日向くんーって叫ぶと日向くんは咲良ちゃんと反応してくれた。そして、せっかくだし、2人でショッピングモールの中をまわることになった。まず2人とも昼食をとっていないことからフードコートに行くことにした。私はちゃんぽんを頼んで、日向くんはステーキを頼んだ。さすが男の子だなって思いつつ、2人で夏休み何をしていたかの話題になった。「私は祖父母の家に遊びに行ったり、家族で旅行に行ってたよ」と言うと日向くんは「いいな♪僕の家は父親が本当の父親じゃないし、父と母2人とも仕事でいつも忙しいから咲良ちゃんみたいな家族で旅行に行ったりするの羨ましい!」と言われた。私は日向くんに「日向くんに家族のこととかいろいろ言わせたりしてごめん」って言ったけど、日向君は「大丈夫だよ、でも将来結婚するとなると咲良ちゃんの家族みたいな仲良し家族が良いと思っただけ」と言ってくれた。日向くんは心が強いなと思った。そして輝いて見えた。昼食を終えると2人で2学期に向けて必要な文具を買いに行こうと文具店に行った。2人でお揃いのものを買ったりと恋人らしいことをしてしまったけどまだ付き合っていないからセーフ。文具を買い終えると、午後3時になり日向くんとお別れの時間になった。また2学期出会ったら話そうと約束して今日はバイバイした。そして10日後夏休みが終わり2学期が始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

この恋は甘くドキドキする 春田 青 @HarutaAo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ