第3話:きたかぜ と たいよう

ある日のこと、北風が太陽に力自慢をしていました。


あーだこーだ言い合っている内に、ふたりは『旅人の着ている服を脱がせた方が勝ち』という力比べをすることに。


「最初は北風くん。キミの番だよ」

「よーし、いくぞ~。ふ~、ふ~♪」


 少女漫画絵タッチな北風くんが、コップに注いだ熱々のホットミルクを冷ます時のように可愛らしく風を吹きかけます。


 するとどうでしょう。


 びゅおおおおおお!! ばりばりばりばりどんがらがっしゃーーーーん!!


 服を吹き飛ばすとかそういうレベルではない規模の大暴風が旅人を直撃します。

 「あ~~れ~~~ッッッ」と悲鳴を上げながら、憐れな旅人さんはあっという間に遥か彼方へと吹き飛んでいきました。


「あっ、いっけなーい、やりすぎちゃったー☆」


 ●コちゃんばりのてへぺろで誤魔化そうとする北風くん。

 これには太陽もニッコリ。


 次の瞬間、どこからか飛び出した太陽さんの光り輝くゴッドフィンガーが北風くんの顔にクリティカルヒット!


 勝負の決め手は、太陽くんの真っ赤なダイレクトアタックでしたとさ。


めでたしめでたし


 


旅人「いや、どっちも反則負けでしょ」

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