先生が、子ども傷つけてどうすんの?

月猫

オオカミ少年と呼ばれた子

小学一年の孫。

理由はよく分からないが、先生に言われた言葉に傷つき泣いていた。


「あなたはオオカミ少年みたいですねって、先生にそう言われた。そして、みんなが笑ってた……」

 うっ、うっ、ぐすん。


『おやおや。教師が、そんなことを言ったら駄目でしょう』と思ったが、学校に乗り込むわけにはいかない。

 これから先、孫はいろんな人に出会うだろう。

 意地悪な人。ひねくれた人。自己中な人。冷酷な人。どんな人に出会っても、へこたれちゃいけない。自分が強くなるしかない。さて、どうやって慰めようか。

 使い古した脳をフル回転させる。


「あのね、人は泣いた分だけ優しくなれるし、強くなれるんだよ。〇は、今日『オオカミ少年みたいですね』って言われて嫌だったんでしょ? じゃ、他の人にそういうこと言わないよね」


「僕、絶対にそんなこと言わないもん」


「そうだね、〇は優しい子。今日泣いて、また優しい子になったね。凄いよ。そうだ。また一つ優しい子になったお祝いをしよう。今、ママが帰って来るからさ、ケーキ買って来てもらおうか?」


「……イチゴケーキがいい!」

「じゃ、ママに連絡するね」


 娘に急いでlineする。

(〇が落ち込んでいるから、イチゴケーキ買って来て! 詳細は後で)

(え……はい)


「ママ、買って来てくれるって。良かったね」

 という感じで孫を慰めた。


 ふぅ―。

 子ども同士の喧嘩の仲裁より大変だ。


 それにしても、先生。

「オオカミ少年みたいですね」って、あなた校長先生に言われたらどんな気持ちになります? 

 と、質問してみたい。 


 

 

 





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先生が、子ども傷つけてどうすんの? 月猫 @tukitohositoneko

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