“私の彼氏はいつも誰を思い浮かべているのか?”

神石水亞宮類

第1話 “私の彼氏はいつも誰を思い浮かべているのか?”




ここ最近、私の彼氏は私と一緒に居ても違う事を考えている。

彼氏にその事を問いただしても、“別に何も考えてない”と一点張り!

ひょっとしたら? “私以外の他の女性の事でも考えているのか?”

そもそも、“浮気とは?” 何処からどこまでが浮気なの?

私の女友達に訊いてみた。



『あのさー! “男の浮気って? 何処からどこまでが浮気だと思う?”』

『何? 汐音、浮気でもしてるの?』

『・・・そ、そうじゃないんだけど、浮気ってどこまで許せるモノなのかな

って思ってさ。』

『“あたしは、あたし以外の女と一緒に二人で居たら浮気よ!”』

『わたしは手を繋いだら浮気かな。』

『“やっぱり心が違う女に向いてたら浮気でしょ!”』

『あんた、いい事言うじゃない!』

『ワタシもそう思う!』

『“体の関係って、それまでと言えばそれまでだし!”』

『心がもう違う女性にあったら? もうどうしようもないよね。』

『・・・そ、そうだよね、』

『“な、何? 落ち込んでるの?”』

『・・・そういうモノなのかなって。』

『そういうもんよ!』

『ちゃんと、汐音捕まえておきなよ!』

『だって、“いい男だし!”』

『うんうん! 浮気するような男じゃないって!』

『“大丈夫よ!”』

『・・・あぁ、ううん。』




・・・あぁ、聞かなければよかった。

彼のはきっと、“心の浮気だ!”

体の関係よりもっと深刻な心の浮気を彼はどこかの女性に想いを寄せている。

そしたら? もう私の事なんか好きでもなんでもないのかな?

彼に訊いてみたいけど? “そんな事、直接彼に聞けないよ。”

彼の気持ちが知りたい! でも聞けない! 聞くのが怖い!

一体どうしたらいいの?



でもここは! “勇気を出して彼に直接聞くしかない!”

私は彼に直接訊いてみた。



『最近、ボーっとしてる事が多いけど? “ひょっとして他の女性の

事とか考えてないよね?”』

『えぇ!?』

『“私に隠れて浮気とかしてない?”』

『急に何言ってんだよ!』

『だって汐音、最近私と一緒に居ても他の事考えてるみたいだし!』

『“だからって、何で浮気になんの?”』

『“心の浮気じゃん!”』

『バーカ! 浮気なんかしてないよ、最近母親が病気で入院してさ!

弟に晩ごはん何作ってやろうかなって考えてただけだよ。』

『えぇ!? そうなの? そんな事なら私が晩ごはん作ってあげるのに!』

『えぇ!? 料理とかできんの?』

『当たり前でしょ! 私に任せてよ!』

『あぁ、頼む!』

『うん!』



それから、彼のお母さんが病気で退院するまでの間は私が“兄弟”の

料理、家事全般を担当する事になった!

彼のお父さんは、単身赴任で3年間、家に帰って来ていない!

彼のお母さんが家の事をしていたのだけど、そのお母さんが病気で入院

する事になって、急に家の事をしなくてはいけなくなった彼は何をどう

したらいいのか? “家事”全般をする事になった彼は私と居ても実家の

事で頭がいっぱいだったらしい。

だから私と一緒にいても、“上の空。”

まあ、そうなるか!



でもこれからは大丈夫だよ!

私が彼のお母さんの代わりに彼と弟の面倒を見る事にしたから。

ただ彼の浮気が何もなかったことにホッとして、彼と弟の為にも

私は彼の家に毎日通うようになった。



『こらこら? ここに脱いだ服を脱ぎっぱなしにしないの!』

『食べたお皿は、ココに置いておいてね。』

『今日の晩ご飯はハンバーグだからね!』

『“美雨ちゃん、兄ちゃんのいいお嫁さんになるよ!”』

『そうだな、俺達兄弟の為にここまでしてくれる彼女も居ないしな。』

『うん。』



なんか、そう言ってもらえたら嬉しい!

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“私の彼氏はいつも誰を思い浮かべているのか?” 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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