この世のすべてに復讐する

リルク

第1話

俺はノルベール・ダルレ

この世のすべてのものに見放されたものだ。

生まれた場所はスラム街の最下層だった。

俺の親はどちらも大罪人として王都から追放された身だった。

俺は親がとても大罪人には見えなかった。

息子思いの優しい人でした。

だがある日王都から子爵の貴族様が来て税の徴収に来ました。

その時お金が本当になくて払える税がなかったのでもう少し待ってほしいと親が言いました。

そしたら貴族の人が

「お前みたいな下民が貴族に意見するな!くそが。」

そういった瞬間、父を蹴り上げました。

「あと三日でいいので待ってはいただけませんか。」

「ふざけるな!大罪人の分際で!」

そしてまた父は蹴り上げられました。

それが最後の決め手となり父は死亡しました。

母は貴族に連れていかれ、僕は冒険者たちの奴隷となりました。

「このクソガキ!もっと時間を稼げよ、使えないやつめ!」

僕が入れられたのはB級の冒険者のパーティーで

その中でも上位のパーティーでした。パーティーの構成は僕を含んで4人

一人はカイル、「剣聖」と呼ばれる男性でパーティーリーダーです。

二人目はマリィ、「賢者」と呼ばれる女性で僕の1,5倍くらいの身長のすらりとした体形の人です。

三人目はヨーム、「回復術師」と呼ばれるジョブの男性です。

そして、荷物持ちの僕、このパーティーの雑用兼囮の奴隷です。

「ほんと使えないわね……これだから忌子は嫌なのよ」

「仕方ないだろう、マリィ、これでも一応人間なんだ。まぁ家畜同然のゴミだがな。」

「こんな奴、早く森に捨てていきたいぜ。」

そう言うと僕をサンドバッグのように殴りました。

「せいぜい、サンドバッグ代わりになってくれよ」

そうして僕の意識が飛ぶまで、カイルは殴り続けました。

ある時、A級の依頼があり、町一番の冒険者のこのパーティーに受けてほしいと依頼が入りました。

それは「レッサードラゴン」の討伐というものでした。

連日、難しい依頼を受け成功していてすこし調子に乗っていました。

「こんな依頼さっさと終わらして酒でも飲みに行こうぜ!」

「さんせ~い」

「そうだな」

「おいこのくそ奴隷、終わったらちゃんと痛めつけてやるから待ってろよ。」

僕は最近抵抗する力もなくなっていました。

そして、僕たちパーティーはレッサードラゴンがいる山へと向かいました。

その日は雷鳴が轟く豪雨でした。

普段は恐怖しか感じなかったのですが今日はやけに俺の第六感が

「絶対に行くな」とガンガン警報を鳴らしていました。

僕はこの警報に従ったほうが良いと思い、カイルに言いました。

「ねぇやめたほうがいいんじゃ……」

「はぁあ!くそ奴隷のくせに俺に意見してんじゃねえよ!ゴミが!」

仕方なく僕は引き下がりました、今回は大丈夫だとそう自分に言い聞かせながら

山の頂上を目指していきました。

後に僕はここで引き返せばよかったなと思いましたが、もう手遅れでした。

そして、山の頂上に行くと、ドラゴンの巣がありました。

「あれ、卵じゃないか?」

ヨームが指した方向に僕の身長ぐらいある大きな卵がありました。

「よし、あれ持って帰るぞ!」

「金になりそうね、ドラゴンの卵だなんて」

「よし、おいくそ奴隷。早くあれを持ってこい。」

「あれを!?無茶だよ!あんなの僕には持てな…」

「いいからもってこい!!」

仕方なく持ち上げようとしたその時、

「ガアアアアアアアア」

空からとてつもなく巨大なドラゴンが下りてきました。

「お、おい、あ、あれって」

「まずい、「ファイアドラゴン」だ!」

レッサードラゴンではなくファイアドラゴン!!

そんな…Sランク指定モンスターの!!

「早く逃げましょう!」

「ああ」

慌てながらも逃げなければいけないと思い、逃げようとした瞬間、カイルに腕をつかまれました。

「お前は囮になってくれ!」

「な、なんでだよ!」

「うるさい!くそ奴隷が少しでも俺たちの役にたちやがれ」

「そうよ、少しでも貢献できることを光栄に思いなさい!」

「お前は前々から邪魔だったんだ…さっさと消えてくれ!」

そして、俺はカイルにドラゴンがいるほうに突き飛ばされました。

その後カイルたちは俺を置いて逃げていきました。

急いで立ち上がろうとするともうすぐそこまでドラゴンが来ていました。

もうだめかとそう思ったとき、

<人間よ>

という声が聞こえました。

「まさか、ドラゴンがしゃべってる!!」

<哀れだな…仲間に裏切られて…その末に我に殺されるのだからな>

ああ、もう本能で悟りました。自分はもう終わりなんだと……

その瞬間感情が一気に噴き出しました

「みんなみんなそうだ!いつだって俺を人間扱いしない!忌子だといって蔑む奴らばかり

何が楽しいんだ!そうやって人を笑って見くびって、父さんと母さんもそうだ!

あんなに僕に優しくしてくれたのに!あのくそ貴族のせいで!!父さんはあそこで死ぬべきじゃ

なかったんだ!!くそくそくそくそ!母さんも連れていかれて!俺はずっとカイルたちの

サンドバッグになって…くそが!!もっと僕が強ければ!俺に力があればよかったのに!

だれもだれも僕のことを見てくれない!神にも見放され最後はドラゴンに食われるだと!?

ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな

ふざけるなふざけるなふざけるな!!!!!!!

あのくそ貴族もあのくそごみ冒険者もドラゴンも神もみーーんな復讐してやりたい!

絶対に殺してやる殺してやる!!!!!」

すると俺の陰から声が聞こえてきた。

[ならばその願いかなえてやる]

「誰だ!」

<我が気配を察知できないだと!?>

[俺は魔神ロガルド、そこの人間、すべてに復讐したいと言ったか??]

魔神ロガルドだと!?勇者に封印されたんじゃなかったのか!?

「そうだ、確かに封印された。]

!!?思考が!?読まれている!?

[これくらい朝飯前さ、分身体を各地に放っていたお陰で生き残れたんだよ。

それでどうだ?すべてに復讐したいか??]

「ああ!!すべてに復讐がしたい!!!!」

[いいだろう。では魂契約術式「魂魔法ロガルドの憎悪」を使え!]

「なんといえばいい?」

<やめろ!その術は!!>

「いたって簡単だ!お前がいま頭に浮かんだものをいえばいいだけだ!」

「わかった」

<後で後悔することになるぞ!!>

「この世は災厄に見舞われし混沌

冥界からの使者をいま呼び放つ

けがれた世界の終焉を

偽善でできた善と悪の境界線を

今ここで終わらせる

最恐最悪地獄の業火で

この世界を燃やしてしまおう

それがこの我らが望む

至高のエンディング

エンドガイズファイアキャスト!!」

[ありがとう、お前の願いは叶えよう……この魔神ロガルドの名において誓う

汝に力を与えたまえ、ステータスフルエンド!]

(ステータスが大幅に上昇しました)

[今のお前ならそこのトカゲも一撃で倒せるぞ]

「ほんとに!?」

<バカを言うな!そんなわけ……ぐぇ>

ドラゴンの足を一発殴ると足がなくなっていました。

「すごい!これなら……」

<おい、やめろ!…くそ…こんなことあるわけ…ぐぇ…うわぁぁぁやめろぉぉ

やめてくれぇぇ…ぐはっぁ>

「殺してやるよ、絶対な!」

そして、もう一発殴った瞬間、

ドラゴンがはじけ飛んだ。

「すごい!これが力!」

[そうだ…ふふふ、でもお前すごいな!憎しみの量が普通の人間の一万倍は

あるぞ!!]

「それってすごいのか?」

[ああすごいとも!!だって俺の魂術式は「憎しみを燃やせば燃やすほど強くなれる」というものだからな!]

「相性ばっちりじゃないか!そうだ!お前今出てきて大丈夫なのか?」

[大丈夫だ。お前の魔力をもらっているからな!]

「そうか…」

[妙に落ち着いているな…どうした?現実離れな話をして頭が混乱してるのか?]

「いや、興奮してるよ。だってあいつらに復讐できるからな!!」

[くふふふふふ、いいぞ!そのまま復讐してやるのだ!]

「いや、まだだ…あいつら俺が恐怖のどん底に陥れるまで

万全の準備をしておこう!」

[冷静だな。でも俺は好きだぞ!」

「魔神さまに褒められるなんて光栄だね」

[そうだ…お前名前は?]

「俺はノルベールだ、ノルベール・ダルテ。」

[いいなじゃないか!よろしくな、ノルベール!]

「ああ!」

二人はこの豪雨の中で固い握手を交わしました。


[そうだ…ステータスを確認してみろ]

「すてーたす?」

[知らないのか?ステータスと言ってみろ]

「ステータス…うわぁぁぁなんかできた」

LV 5278 ノルベール・ダルテ

HP 791246/800000 MP 20000/2900000

ATK 50612 DFE 81263 INT 8000 AGI 90000

RES 50001 LUK 4712 DEX 4000

SP100000000

スキル「復讐を燃やす者」「魔神ロガルドの意思を継ぐもの」

「すべての種族の対敵者」「殺人鬼」

「ドラゴンスレイヤー」

おおおお!!すごい!

「この力さえあれば……」

[スキルの説明、確認してみろ]

「復讐を燃やす者」……

相手が復讐する理由になることをして

自分が怒れば自分のステータス二倍

「魔神ロガルドの意思を継ぐもの」……

魔神との意思疎通が可能。

魔神の戦い方を自分に宿すことができる。

これはすごい!あの勇者と渡り合った戦い方ができる!!

[そうだ…まぁ、負けてしまったがな。ははははは!]

「でもまた強くなれる!ありがとう!ロガルド!」

[礼には及ばない……お前とはいい関係を築いていきたいからな!相棒。]

「魔神と相棒……か…なんか現実感ないな……ww」

[そうだな!俺は人間と組むなんて思わなかったよ」

「ごめんな……こんなさえないやつで……」

[そんなことないさ!!ここまで復讐心を燃やしているやつを俺は見たことがない!

よろしくな!]

「ああ!あいつらを…ぶっ殺してやる」

そうして俺らは復讐の計画を立て始めた……

[お前は最高だよ……]


スキル説明

「すべての種族の対敵者」……

全てのものに見放されたものが受け取る称号

どんな相手でも対峙したときステータス強化

「殺人鬼」……

人を殺した数だけATK強化

「ドラゴンスレイヤー」……

ドラゴンを殺したものに送る称号

ドラゴンの能力をランダムに一つ獲得できる。

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