70歳のいかした爺さん、銀次郎が異世界で喫茶店します。
そうです。この物語はテンプレ中のテンプレ、異世界転移です。
でも冒険者は出てくるけどモンスターや魔法は存在しているだけで登場しません。銀次郎は店に訪れた冒険者や衛兵に珈琲を淹れる。そこにあるのは人情味あふれるやりとり。それを巧みな文章で演出してくれています。
序盤は異世界ものへのアンチテーゼぽく見えるかもしれません。まあ、それでも全然面白いんですが。
そして中盤になって、ある人物が登場するともうひとつの物語が姿を表します。
日常から非日常へ。そこでの経験を経て成長する。まるでジブリの映画を観てるようです。
間違いなく極上のエンタメがここにあります。
先駆者から一言言わせてもらうなら、ぜひ珈琲を用意しておいてください。
めっちゃ飲みたくなりますから。