#end
本日は待ちに待った温泉旅行の日。
早朝、俺と透子と恋衣ちゃんとミカちゃんの4人は花永の自宅アパートに集合した。
前日にみんなが乗れるレンタカーを既に借りており、それを花永に運転してもらって、しーちゃんママお姉ちゃん特製『妊娠しないと帰れない温泉宿』に向かう予定である。
「すけべっおーんーせーんー!」
ウッキウキの俺ちゃん。
「…………」
いつも通り無口で無表情の透子。
「えへっ、えへへっ、ホノカきゅんと……子作り、ぶひっ、ぶひひっ……!」
既に締りのないダラしない表情でぶひぶひ言い始めている恋衣ちゃん。
「…………」
そして緊張した面持ちでガッチガチに固まっているミカちゃんが居た。
「ミカちゃん?」
「は、はひぃっ……!な、なんの御用でございましょうか、ほのっちっ!?」
「どうしたの?なんか凄い緊張してるみたいだけど?」
「えっ……!あっ……!いやッ……!そのっ……!これはっ……!」
「大丈夫?」
「うっ……うぅ……だ、大丈夫っしょ……?」
「そう?」
心ここに在らずというか、何かこれから起こるであろうことを想像して、もうどうしたらいいかわからない!みたいな感じのミカちゃん。
「温泉宿楽しみだね、ミカちゃん」
「そ、ソダネー……は、はははっ……」
乾いた笑い声をあげるミカちゃんは続いて俺に問うてくる。
「あ、あのさ……その……こ、これから行く、温泉宿ってさ……」
「うん?『妊娠しないと帰れない温泉宿』だけど?」
「マジで行くん……?」
「連れてくけど?」
「お、おふっ……えーとっ……その……それはちょっとウチには早いかなー……なんて?やっぱ今回行くのはやめとこっかなー……なんて?」
若干、後ずさろうとしたミカちゃんの腕をガッシリ掴んで引き寄せる。
「絶対、連れてくけど?」
「あっ……あぁ……ほのっち、目がガチじゃん:……完璧にウチの事を孕ます気マンマンじゃん……」
「ミカちゃんには俺の子供、孕んでもらうから」
「これもう無理じゃん……ほのっちウチを逃がすつもり無いじゃん……逃げらんないじゃん……ウチ……孕まされるんだ……」
「楽しみだね」
「う、うん……」
顔を赤らめ、諦めと期待が入り交じった表情で美香ちゃんは小さく頷いた。
「あーもー!ふたりでイチャイチャしてる!ホノカくん!ぼくともイチャイーーあいたっー!」
ひょこひょこと俺に擦り寄ってきた恋衣ちゃんだったが、透子の足払いをくらってズッコケた。あー、顔からいったなー。痛そう。
「…………」
ブタは床ペロでもしてろーーと、透子心の声。
そんな透子は俺の方を向いて両手を広げてきた。あっ、はい。抱っこね、おっけーおっけー。
求めに応じて透子を抱っこしてあげる。もうお馴染みとなった透子のヌクモリティを抱きしめた。やっぱこれよな。これこれ。透子あったけー。
温泉楽しみだね、透子。
パパにしてやる。
パパにされます。
ちゃんと養え。
養わさせていただきます。
世話しろ。
お世話させていただきます。
ずっと。
ずっと。
これからも。
これからも?
「一緒に居て」
「一緒に居るよ」
これから先もいろいろあるだろうけども。
透子とのこの関係は変わらず続いて行くのだろうと思う。
「ふぇえーん!ホノカくーん!いたいよー!慰めてー!」
「はいはい。よしよし」
「わーいっ!」
あと恋衣ちゃんも。
「ほのっち?ウチも……えっと……なんも無いけど……その……」
「ミカちゃんもなでなでが欲しいと?いいよ!」
「あっ……う、うん……」
それにミカちゃんも。
「それじゃそろそろ花永叩き起して行こっか」
まぁ、花永はちょっとマトモにしたいところはある。
そうして俺達は『妊娠しないと帰れない温泉宿』へと出発したのであった。
~完~
あとがき
本作はこれにて完結となります。
公開停止となった前作の続きとなる本作ではありますが、やはり中途半端感が否めないというか私のやる気が……ですので一旦ここで締めたいと思います。
楽しんでくれていた方々には大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
どこかで本作を一から規制に引っかかっらないようにやるか、それか規制のないところで規制無しでやりたい放題やろうかとかも考えてますが、今のところは未定です。
どこかしらにホノカくんらが出現したら、またお付き合いしてくださると嬉しいです。
それでは今作並びに有罪判決をうけた前作を読んでくださった方々。ここまでお付き合いいただき大変ありがとうございました!
それではまたどこかで!
バグった世界のアホな奴 助部紫葉 @toreniku
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