パパ上様日記 〜冤罪なのだ。間違いなく〜 KAC20237

ともはっと

そのいいわけは、見苦しい。でも、ほんとに違うんだよ? ほんとだよ? いやいや、なにその疑いの目。いや待って。ほんとにちがうから。まぢでまぢで!


「最近さ。みょーに変な広告出ると思ったのよ」


 私は今、眼前に仁王立ちの腕組して仁王様な形相の妻に問い詰められている。


 怒っている。それはかなりのお怒り度だ。




「あんた欲求不満なの?」


 だが。

 冤罪。

 冤罪だ。


「待て。落ち着け、話を聞け」

「言い訳なんて聞きたくないね!」

「なにその泣き言なんて聞きたくないね、みたいなジ○リの名言っぽいの」


 最近、サイトの広告がいかがわしい。

 誰かがいかがわしいサイトをネットサーフィンでもしなければ、そんな広告はでないのがぐーぐるさんだ。

 検索結果からその人にあった広告を出す。なんて素晴らしい機能だろうか。


 そして、先程。

 妻は、ロックがかかっていない私のスマホの画面を見た。

 それは、ぐーぐるさんの検索画面。

 そこの文字を見て、妻は、確信したのだ。


「ヘルスとか検索かけて! そんなのかけてなに見てたの! あんたまさか金かけて通ってたりするんじゃないでしょうね!」

「いや、待て。言い訳に来こえるかもしれんがいいから聞け! ああいうのは、ピンキリだが、最低でも2万円くらいはかかる」


 試したことはないが、それくらいかかると聞いたことがある。


「あんた、なんで金額知ってるのよ」

「おおよそだおおよそ! いくらかかるかなんて知らんし、それを生々しく聞きたいか!? それに、俺は」

「俺は?」

「お小遣い制だっ!」

「…………………なるほど」


 妻がこの家の家計を握っているのだから、私がお小遣い制であり、いくら渡しているかわかっている妻は、私のその叫びにいたく納得したようだ。


 まさか、こんなところで少ないお小遣いが生きてくるとは泣けてくる。





「じゃあなんで最近こんな広告出るのよ」

「……お前だよ。お前が、タブレットでBL見てるからだよ……」

「……あ」




 そんな我が家は。


 今日も。



 ……平和、……――か……?








 なお。

 私は、健康になりたいため、ヘルスケアと検索かけていただけだ。
































 ほんとだよ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

パパ上様日記 〜冤罪なのだ。間違いなく〜 KAC20237 ともはっと @tomohut

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ