10年間異世界に行ってたから、昨日の重大案件の行うの忘れてたなんてそんないいわけ、通じる訳ないでしょう!

サプライズ

第1話

「10年間異世界に行ってたから、昨日の重大案件の行うの忘れてたなんてそんないいわけ、通じる訳ないでしょう!」

「やっぱだめですか?」

「ダメに決まってるでしょう男部下。そもそもなんで通じると思ったの?」

「いやー。女上司さんだったら信用してくれるかなって」

「…信用してくれるのは嬉しい。けどね、信用できることにも限界があるの」

「ふむ…」ボッ

「…なにそれ」

「…え、どうしました?」

「なに、その火は?」

「え?」

「その手の先に灯っている火よ」

「ただの火ですけど? いやぁ、こうすると集中できるんですよね。異世界だとこちらほど明かりが少なくて。そのときの癖です」

「…へぇ」

「…まいったな。重大案件が解決できないぞ」

「そもそも、どういう経緯で異世界に行ったの?」

「なんか召喚されました」

「なんかで召喚される訳ないでしょう」

「いやけどなんかで召喚されたんですよ。向こうも冗談だったらしく、問いつめたら酒の席で召喚したら出ちゃったって言われて…」

「あ、そう…そんな簡単に召喚されるんだ。いいなぁ」

「え?」

「い、いえ。それで魔法も使えるんだ」

「ええ、なんか転移者特典があったみたいで全部使えました。魔王余裕でしたね」

「魔王…やっぱいたんだ」

「魔王いました。7777体くらい倒しましたよ」

「魔王バーゲンセールじゃん…」

「向こうじゃモテたんじゃないの」

「どうですかねぇ。いい寄ってくる人は多かったですね」

「へぇ…。私も行ってみたい…本当にあるんならね」

「いきますか?」

「え、いけるの?」

「いつでもいけますよ、ほら。」シュン!

「え、ここが異世界!」

「はい。ちょうどつい先日、自由に行き来できるようになったんですよ」

「…なら、でも何で戻ってきたの?」

「さっき言ったじゃないですか。重大案件忘れてたって」

「…?」

「女上司さん。僕と結婚してください」

「…そんないい理由、受けちゃうじゃない」

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10年間異世界に行ってたから、昨日の重大案件の行うの忘れてたなんてそんないいわけ、通じる訳ないでしょう! サプライズ @Nyanta0619

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