KAC20237 バトルな2人

maris

第1話

「私と離婚してください!」

「はぁ!?なんだそれ?嘘だろ?俺別かれる気なんてねぇからな」


「私、もう決めたの!こんな生活はイヤなのよ。終わりにしたいの───」


「────ったくよぉ、いい加減にしてくれよ、毎回喧嘩する度、離婚、離婚って馬鹿の一つ覚えみてぇに言いやがって」


「こっちこそ、いい加減にして欲しいのよ。わたしが何にも知らないとでも思ってるの?あなたに前からオンナがいるのを知ってるんだから。そっちこそ可笑しな『言い訳』ばかりしてるけど、今回ばかりはもう我慢できないのよ」


「あ~、またそれか。だからー、あれは、

……ただの同級生だって何度も言ってるだろ?同級生と関わっちゃ、いけねぇのかよ、あん?

あー、分かった!そっちこそ、もしかして他に好きな人でも出来たんじゃねぇのか?そう言えば毎週いつもより、念入りに化粧してお洒落な服着て出掛けてるよな?」


「はあ…………またそれ?」


「ほぉれ、みろ!なにも言えねぇじゃねぇか?悔しかったら『言い訳』くらい言ってみたらどうなんだ、えぇ?……図星ってことか……、絶対許さねぇから!」


「だ・か・ら、それは歯の治療で歯科医院に通ってて、そこの担当医だって、何回も言ってるのに、どうして信じてくれないの?そりゃぁ、もしかしたら、向こうは私に気があるかもしれないけどね、うふふ」


「はい、はいそうですか、それは良かったですねー、お望みの通り離婚してやるからよ、後で吠え面掻いても知らねぇぞ、ヘンだ、チクショー」


はい、これ実は飯和家いいわけの恒例行事なんです。

ボクの両親は、お酒を飲むといつもこうなっちゃうおかしな夫婦なんですよ。

普段はボクのことなんか、そっちのけで

イチャイチャしてるくせに、と言うか

お互い凄く焼きもち妬き屋の

病んデレ夫婦。

ホント、疲れちゃうんだよね!

もう、いい加減にして欲しいわ、って

ボクの台詞だよ?


実況は、この家の一人息子

飯和圭介いいわけいすけがお送り致しました。

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