第四話

 学魔論隊では週に一度、会議が行われる。会議内容は隊の状況や今後の方針についてが基本だ。


 会議には隊長の僕と副隊長のガルス、狩猟小隊長、生産大隊、商業大隊、守衛大隊の大隊長、副大隊長が出席する。


 それぞれ簡単な紹介をしよう。


 初めに副隊長のガルス、荒っぽいが明るく、立場をわきまえるところを見るに多分真面目。職業は冒険者。がたいがよく顔もイカついため、子供によく怖がられる。仕事は僕の雑用。


 生産大隊、畑や食堂などを管理している。学魔論隊の中で隊員が一番多い。


 狩猟小隊、森で動物を狩り肉を調達してくることが主な仕事の少数精鋭部隊。総勢20名ほど。僕は魔物の森で狩をしてるから獲物の取り合いにはならない。装備品は各自で調達する為、バラバラ。


 商業大隊、生産大隊や狩猟大隊から売れるものを受け取り、市場で売ることが主な仕事。他には、必要品の調達も行っている。


 守衛大隊、学魔論隊の拠点の守りや他大隊——狩猟小隊を除く——の護衛を行う。装備品は支給されるため基本統一されている。


          これぐらいかな?


 「着きました」

 もう会議室に着いたみたいだ。僕は会議室の場所を覚えていないから、ガルスにいつも案内させてる。

 「ありがとう」

 いえ、と言いガルスは扉を開く。僕の席は会議室の奥にある。歩き始めると同時にガルスは僕の斜め後ろに移る。


 「今から会議を始める」

 僕が席に着くとガルスが宣言する。そして、各隊に報告させる。

 ちなみに、本当は僕の仕事。でも面倒だからおし...、じゃなくてガルスに仕事を譲ったのだ。そう、決してサボりたかったとかでは無い。決して。


 そんなことを考えているうちに、報告は終わる。と、思ったらまだでした。なんでも、魔物の暴走スタンピードが起こった様だ。

 森で狩を行っていた狩猟小隊が魔物の集団を発見したようだ。現在は森で止まっている様だが、いずれこちらに進行し始めるそうだ。

 いずれと言っても数ヶ月後のことの様だし、要警戒ということで、話はまとまった。


 結局、またも一言も喋らずに会議が終わった。

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ある少年が魔王になるまで 秋夏咲 @akinasa

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