第19話 ボクは、キミが死ぬまで離さない
ボクがマナのことを思い出して、飛び出して……野外で一人、欲を慰めてから二年後。
ハンナちゃんの身体にかけられた呪いの治療がほとんど終わった。
ほとんど、って言うのは、魔物がハンナちゃんにかけた強度の催淫、性感増強、受精促進、卵子増配、産期短縮は全部解けたけど、
魔物以外がかけたらしい母乳噴出と蜜源泉は残ったまま。
なんでもエルフの女の子は、母乳と、蜜もとい透明な腟分泌物に、一般的なフェアリーミルクやフェアリーシロップと同等の魔力回復効果があるらしく、
それをいつでも一定以上出せるようにするのが、母乳噴出と蜜源泉の効果みたい。
……ボクは、その話に生唾を飲みつつも、母乳噴出と蜜源泉をハンナちゃんに仕込んだ奴が、
「……ねぇハンナちゃん、エルフにプロポーズするにあたって、必要な作法とかってある?
仕事帰りとかにエルフに関する本を片っ端から読んだけど、どれも参考になんなくて……」
「え……?」
書かれた時代が新しめの本ですら、上下関係のない人間とエルフのプロポーズについて書かれてないって、おかしいよ。
エルフはこの世界で、人間と扱いに差がないんじゃなかったっけ?
……あの受付さん、具体的に何言ってたっけ?
チヤホヤされまくる、ナンパ、人さらいならぬエルフさらい、買われたり飼われたり…………。
……もしかして、人間は人間でも、社会的地位とかが低めの人間と扱いに差がないってコト……?!
魔物以上、妖精以下?!
だったら、余計にハンナちゃんを離すわけにはいかない……!
「ハンナちゃん。ボクは、キミが死ぬまで離さない。
少なくともハンナちゃんを狙う不埒な輩には、殺してでも渡さない。
ハンナちゃん、結婚しよう。
キミって、体が受け付けない素材とか無い? ボクの故郷では、結婚する二人は――」
「待って、ロビンさん、一人で話を進めないでください……!」
「あ、ごめん……。一刻も、いや一日でも早くキミを、ボクの……ボクの、妻にしたいって思ったら、つい……。……結婚、してくれる?」
「…………はい……!」
愛するおばあちゃんが死んで以来、何度殺しても死ねないボクは、毒魔法とかいろいろ強過ぎて向こうが死にまくるけど、死ねない理由が知りたい!〜『トリプルマジックストリート 第一部』外伝 霜月二十三 @vEAqs1123
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