KAC20237 いいわけ

橋元 宏平

腹くくって、落とし前を着けますかね《責任を取りますかね》

 カスリを上納金をガジってケツ割りやがった盗んで逃亡したアコギな強欲なゲス卑劣野郎がいるらしい。

 叔父貴親分の兄弟分は、おかんむりだ激怒している

 悪い子は、ちゃんとヤキ入れないとねお仕置きしないとね

 エンコ詰める責任を取って指を切るくらいじゃ、済まさねぇ。

 タマ取られた殺されたって、文句言えねぇよな?

 オレはテカ手下を数名引き連れて、ヤツのアジト居場所へ向かった。

 さて、どうカチコむか殴り込みをかけるか

 正面から行くか、ガラス割りするか窓を割って侵入するか

 逃げられねぇように、両方やっちまった方が早ぇな。

 テカ手下とハンドサインで示し合い、配置に着く。

 まずは、オレから動く。

 チャイムを鳴らし、扉越しに明るい声を出す。

「すみませ~ん、お届け物で~す」

「は~い」

 警戒心のない声が返ってきて、中年男が出てきた。

 挨拶代あいさつがわりに、拳を一発喰らわすと、男はあっけなく吹っ飛んだ。 

 ずいぶん、弱っちぃ野郎だな。

 仮にも、うちのもんだったんだろうが。

 殴り返してくるぐれぇの、根性見せろ。

 そこで、テカ手下どもが、ガラス割りする窓を割って侵入して来る

 テカ手下どもは、手にしたエモノ武器で、室内の物を壊しまくる。

 オレは男の胸倉を掴み、クンロクを入れる脅しかける

カスリ上納金は、どこだ? ゲロらねぇと白状しないと体に入れんぞ銃で体を撃つぞっ!」 

 だが、ヤツは首を横に振って、命乞いをする。

 今更、イモ引いてビビッてんじゃねぇよ。

 分からせてやんねぇとダメだな、このゴミクズは。

 どれだけ痛めつけても、男は口を割らない。

 口の堅ぇ野郎だ、その根性だけは認めてやる。

 そうこうしていると、デコ助警察のサイレンが響いてくる。

 周辺住民が、チンコロ通報しやがったな。

「ちっ、そろそろバックレ逃げるんぞ」

「へい」 

 失神した男を車のトランクに運び入れ、デコ助警察が到着する前に離れた。


 組へ戻ったところで、カタにハメられただまされたことを知る。

 うちの組をうとましく思っていた反目敵組織に、カマシウソを入れられたらしい。

 よりにもよって、無実のカタギさん一般人を襲撃しちまった。

 筋者ヤクザと関わっちまったら、もう真っ当に表社会で生きていくことは出来ない。

 可哀想に……。

 さぁて……組長には、どうやって弁解いいわけしようかね。

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