いいわけの惑星

にゃべ♪

いいわけで満たされた世界

 世界はいいわけで出来ていた。神話によれば、いいわけの塔が壊されて、いいわけが世界中に広がったらしい。その結果みんながいいわけをし始めて、世界は混乱してしまった。

 これも塔を壊した神様の試練なのだろうか。


 昔はいいわけなんかせずにみんな素直で純粋だったのに、今では誰もがあちこちで何かしらいいわけをして誤魔化している。ああ、このままじゃ世界がバランスをとるために虚数の穴が空いてしまうよ。いいわけをしている暇なんてないよ。


 月も見えない闇夜に蛇が僕らを見守っている。そう、いいわけに逃げちゃダメなんだ。何も誤魔化さずに本当の事だけを喋らないと。それをいいわけだと言われてしまうのは残念な事だけど。


 垂れ流されたいいわけが海を満たして、魚達がプカプカと浮かぶ。僕らはどれだけのいいわけを無責任に捨ててしまったのだろう。大義名分は真実とはかけ離れてしまった。海が示しているのは、手遅れになった未来の僕らの姿。

 時間は止まる事なく強引に続いていく。そうだよ、残り時間は減っていくばかりなんだ。いいわけを考えている時間なんてないんだ。段々と迫ってきているんだ。


 いいわけの代償を、僕らはせっせと身体に取り込んでいる。身体がいいわけで満ちていく。やがて耐えきれなくなる日が突然やってくる。それを誰も教えてはくれない。つまり、未来は決してバラ色ではないって事なんだ。

 だって、今でもずっといいわけを繰り返しているのだから。決して前には進んでいないのだから。


 やってくる現実に嘘はないから、もうそこにいいわけは通じない。僕らはどうしても罪を認めなければいけない。見える景色が変わっても人はいいわけを続けるのだろう。自分達は被害者で何も知らなかったのだと。

 足元から徐々に侵食されていく。僕らの本性が暴かれていく。これは自分達が撒いた種なんだ。だから自分達で刈り取らないといけないんだ――。

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いいわけの惑星 にゃべ♪ @nyabech2016

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