言い訳を繰り返す人生への言い訳の言い訳

言い訳は癖になる。
自分がこうなのは誰かのせい、何かのせい、そう言葉にするうちに、自分でも気づかないうちに全てを他人のせいにして、人生そのものに言い訳する羽目になりかねない。

主人公の小森は、そんな風に言い訳を繰り返して、遂にはニートになってしまった男。

だが、そんな彼にも、彼を見捨てられない他人はいた──。

一人で生きるのは難しい。それは、人は自分の為だけにでは、なかなか動き出せない生き物だからだ。

誰かの為、何か言い訳の外になるものがあれば人は動き出せる。

それはニート生活の彼が、料理くらいはこだわっているところだったりからも窺える。

今こうして自分が人生を生きているのは、誰かの為で、そして誰かが引っ張ってくれているおかげだ。

そんなことをしっかりと、思い返させてくれる一編。