いいわけといえば

武藤勇城

↓本編はこちらです↓

夏の料理といえばこれですよね(?)

無人島の大男額につのめに力あり全身真っ赤。

毒蛇猛獣に怯まない。毎日ゆう敢に戦い撃退。

時折漂着する書を読み、平和なひや朝晩勉強し

人語もよく理解する。いわゆる心優しき鬼だ。

暴風大つ波の翌日。日課の沿岸見回りちゅう難

破船が漂着しているのを発見。恐る恐るゆっく

りきを付けて接近する。船内奥の方から「うぅ

…うぅ…」と呻き声がする。覗き見ればなかに

はゆき倒れの男一人、他に人影なし。担いで拾

うと棲み処まで持ち帰った。目覚めた男と話す

と最初は鬼の異形な姿に驚いたが、巨躯でがち

むちの鬼は取って食う様子もなく。大怪我のか

ん病まで甲斐甲斐しく行う。男は右腕右脚とく

びの骨を損傷して重体。身動き一つ出来ないの

で鬼が毎日肉や果実を分け与えた。しかしすう

日後、容体が急変。骨折手足の壊死でこう熱。

男は船内にある医書と医療用具と救急ぱこを持

って来て欲しいと、うわ言のようにあせだくで

懇願。薬飲み数時間、逢まときゆう暮れ。容体

はやや落ち着く。水分補給は丸いうり科の野菜

で。鬼の眼光は不安で弱々しい。「これは読め

るか?」医者の卵の男。医書を鬼に手わたす。

難解で理解不可能。道具は揃っている。今すぐ

手術をすれば助かる。しかし付け焼刃で手術を

行うのは無理だ。男は鬼に「継往開来。しっか

り勉強すると良い」そう教え「船内にCでいい

が。拾って来て」依頼。もう助かるまい。なぜ

あんな物をと男は自問。だが電池があればでん

きは不要。死を目前に好きな曲を。鬼が学ぶ機

会でもあろう、そう自答する。鬼が帰ってきた

。らじおにCDを。第3位になった事もある名

曲だ。シャ乱Qの「いいわけ」。CDのめろで

ぃあん黒に包まれた島中に響く……ろんりー僕

は……ざわ、ざわ。樹々だけが音楽を聴く。鬼

の瞳に輝きを。男が遺したCDとゆい言。冷え

切った体を担ぎけい往開来、ひでん医書を手に

鬼は決意する。「わいいしやを目指す!」と。

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