ラッキー勇者物語 ―七つの大不運―

ぶらボー

最終決戦

 勇者マサノブは遂にアスパラガス城の最奥部に到達した。


 かの王国を混乱に陥れた「七つの大不運」を司る魔物もあと一匹となった。


 ”足の小指打ち”のジョニー、 ”犬のうんこ踏み”のキャサリン、 ”財布落とし”のワイズマン、etc.(考えるのが面倒になった)……どの魔物も恐るべき強敵であった。


 強敵との連戦でマサノブは満身創痍であった。だが王国を不運から守るため、最後の魔物を倒さねばならない。


「あと一匹なんだ……持ってくれよ俺の体……」


 マサノブの体に貼り付けられた絆創膏は200枚を超えていたが、彼のハートは最終決戦に向けてメラメラに燃えていた。


 マサノブは最奥部のゴージャスな扉を両手でギィイィと開ける。


「よくぞ参られたでヤンス勇者よ……でヤンス。」


 最後に待ち構えていたのは”上空から落下物”のヤンスデス・チェンテナリオ100世! 5000兆人の王国民の頭に鳩の糞を落とした恐るべき魔物だ!


「覚悟しろ魔物……このラッキー勇者マサノブが相手だ!」


 マサノブの勇者ソードが黄金の光を放つ。この宇宙に存在する全ての宝くじ高額当選者から少しづつ幸運をわけてもらっているのだ!


「クーックックック! そんな小技でワタクシを倒そうなどと思い上がりもいいところでヤンス。上を見るでヤンス!」


 マサノブは上を見た。何故か天井はなくなっており空が見える。


「アレは……まさか!?」


 マサノブは戦慄した。東京ドーム5000兆個分はあろうかという巨大隕石が空から王国に落ちてきているのである!


「クーックックック! あれが墜落すればこの王国は終わりでヤンスよ! 今日は西暦7777年7月7日! まさにアンラッキーセブン!」

「無理やりアンラッキーセブンにしたな……しかしあの大きさ、貴様も無事では済まないのでは?」


 マサノブが指摘するとヤンスデス・チェンテナリオ100世の高笑いが止まった。


「……ヤバいでヤンス。」

「……貴様はそこで大人しくしていろ。この話も777文字を超えたので俺があの隕石を破壊して終いにする。」


 勇者マサノブは黄金の勇者ソードを構える! 果たして隕石を破壊し世界を救うことはできるのか?


(次回 キャサリン、死す に続かない)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ラッキー勇者物語 ―七つの大不運― ぶらボー @L3R4V0

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ