おんなのひと 🌼

上月くるを

おんなのひと 🌼





 ああ、この感じ、よく分かるわ~、理屈じゃなくて、実感として、すごく分かる。

 思わずうなずいたのは、某トーク番組に出演した五十代の女優さんの述懐でした。


 女性は悩みや苦しみをすべて、ここに溜めこんで、沈殿させているんじゃないか。

 連続ドラマの収録前に子宮筋腫の手術を受けて、あらためて思ったそうなんです。


 たしかに子宮という臓器は他の臓器と一線を画し、そう言ってはなんですが(笑)たかが一内臓の身でありながら、所有主の肉体とは別に独自の脳や心を持っている。


 そんな気がしていたのですね、女性という旧来の性別歴が長いヨウコさんは……。

 といっても明確に思っていたわけではなく、言われてみれば、なのですが。(^-^;

 

 


      🪴




 なぜか、うれしいときはノーリアクションなのですが(笑)負の感情に見舞われたとたん下腹に負荷がかかり、そこでストップした悲哀が洗濯機のように攪拌される。


 それきり出口がないので、攪拌に攪拌が積み重なり、年年歳歳、辛さが増加する。

 この感覚はたぶん、同じ肉体を持った個体でないと理解できないかも知れません。


 手術を受けた女優さんは、え、こんなに~?! というほど術後がすっきりして、病床で軽くなったお腹を撫でては「いままでありがとう」と何度も言ったそうです。


 心と肉体がひとつの個体に宿る人体のふしぎ……分けても子宮という臓器を有する側のメカニズムを知らされ、大いに納得がいく気がしているヨウコさんであります。




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