この件について世界で一番有名なのは?

土岐三郎頼芸(ときさぶろうよりのり)

鏡よ鏡、鏡さん。

「サブロウ先生!KAC20236のお題が『アンラッキー7』だなんて意地悪だ!難し過ぎる!だなんて他のカク先生方からブーイングが上がって大騒ぎです!」


「そうかな?ちょっとした発想の転換で、誰でもいくらでも面白いお話ができそうな気がするんだけどなあ。もちろんヨシノにだって簡単に書けるさ」


「ええ?どういうことですか?」


「お題の『アンラッキー7』には足りないものがある。その足りないものを足してあげればいいのさ。それで一見鬼畜なこのお題、どうしょうもないほど平凡すぎるお題になりさがる」


「本当ですか?」


「本当だとも。しかも漢字でたったひと文字だ。これはもう答えを言っているのと同じだよ」


「サブロウ先生、もったいぶらないで早く教えてください!」


「わかった、わかった。このお題に足りないのはね『ひと』だよ」


「ふむふむ『アンラッキー7』に『人』って、あっ『アンラッキー7人』だ!」


「そういうこと。そうしたら、七人のついてないヒトのお話を考えればいいんだから、どうとでもなって簡単でしょ」


「サブロウ先生、わたしの今までのこのお題に対する苦悩ってなんだったのでしょう」


「まあまあ。もう300作品以上出てるけどシンプルに『アンラッキー7人』のネタはまだなさそうだ。今なら早い者勝ちだ」


「でも急についてない七人の話と言われてもなにを書けばいいかな」


「そういうときは魔法の鏡に聞いてみるのさ。鏡よ鏡、鏡さん。世界で一番有名な、ついてない7人は誰か教えておくれ」


〔それは白雪姫を助けた7人の小人たちです。王妃から生命を狙われた、美しくても頭の足りないあの娘を、あわよくば自分の嫁に、場合によっては逆ハーエンドでシェアしてもかまわないとまで覚悟を決めて匿ってあげたのに、最後でちょろっと出てきた王子に白雪姫をお持ち帰りされたのですから〕


「白雪姫ってドロドロした男女関係のお話だった!」

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この件について世界で一番有名なのは? 土岐三郎頼芸(ときさぶろうよりのり) @TokiYorinori

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