アンラッキーな俺。
黒羽冥
第1話ラッキーセブン
俺は昔からラッキーナンバーってものが本当にあるものだと思って生きてきた。
大抵の場合数字を選ぶ際にはラッキーナンバーとして『7』を選ぶと上手くいったりする事が多かった。
だからいつでも何か数字を選択する時は決まって『7』を選んできたんだ。
確かに一番というのは数字的に良いとは思うけど俺にとっては七番でいいと思って生きてきた。
あの日…までは……ね。
◇
◇
◇
人よりも目立ちたくない派の俺…でも何故か七番目ってのが好きだったんだ。
テストも七番目…順番を決める時も率先して七番目を選ぶ…など俺は徹底していたんだ。
まあ一般的にはラッキーナンバーとしてラッキーセブンとか言うじゃないか?
そんな根拠もない事に何故かこだわる俺。
そんな俺に幼なじみの『菜々子』はある時、質問をしてくる。
「ねぇ…あんたさ、昔から何でも七番にこだわってるけどそれって何なの?」
「は?そりゃ昔からラッキーナンバーってされてる数字の代表的な数字じゃんか!」
「まぁ…そうだけどさ…アンラッキーナンバーとしてのアンラッキーセブンっての聞いた事ある?」
「何それ?」
「やっぱりね…数字的ナンバーなんてさ、ただの気の持ちようって事よ。」
「はぁ?」
「つまり数字の7は人によってはアンラッキーナンバーセブンってのもあるって事!」
俺はこいつの言う事に少々腹が立つ。
昔からこだわってきた数字だし今更俺は他の数字なんて選べないぜ?
彼女はふぅっとため息をつくと立ち上がる。
「あんたのこだわりなんてくだらないって事よ。」
そう言うと彼女は教室に俺を取り残しさっさと帰って行ってしまった。
◇
◇
◇
そして俺は一人帰路につく。
「アイツ、あんなこと言ってたけど人それぞれ考え方は自由じゃねぇか?俺が時々幸運な事があったりすると自慢げに彼女に報告したりしてきた事に嫉妬でもしてるのか?」
俺はブツブツ言いながら歩いていると少し離れた自販機の下に煌めく何かを発見する。
俺は気がつくと走り出し自販機の下を調べる。すると百円玉を見つけてしまう。
「ほらな…ラッキーセブンを崇拝してるとたまにはこんないい事があるんだぜ?」
俺が独り言を呟くと背後から何かの声が聞こえる。
『ラッキー…セブン…。』
「ん?誰だ?」
俺は辺りを見回すが誰もいない。
するとまた背後からおかしな声が聞こえてきた。
『ラッキーセブン…その代償は…アンラッキーセブン。』
俺はまた振り向くが誰もいない。
「おかしな事もあるな…まあいいか…帰ろ。」
こうして俺はさっさと家に帰る事にした。
◇
◇
◇
帰り道…先程聞こえた声が気味悪く思った俺は小走りになる。そしてその先の交差点に差し掛かり横断歩道を渡ろうとしたその時!!
キキーーーツ!!!
俺は思わずヘタリと尻もちを着く。
なんと俺はボーッとしていたようで間一髪車に轢かれる事から逃れたのだ。
「はぁ…はぁ…はぁ……危なかった…。」
するとまた背後からおかしな声が聞こえる。
『アン…ラッキーセブン!』
「だ!誰だ!?」
周りを見ても誰もその声には気づかないようで轢かれそうになった俺に心配そうに声をかけてくる人達。
そして思わず俺は走り出した。
(何なんだ一体…こんな事今までなかったぞ…。)
すると後ろからまた声が聞こえる。
『アンラッキーセブンの後はラッキーセブン。』
そんな声が聞こえた瞬間!
俺の目の前から大好きなアイドルがプライベートなのだろうか…歩いてくる。
「お…おお……。」
俺は思わず声をかけサインに握手までしてもらう。
その後、彼女は立ち去っていく。
幸福そうな顔をした俺を1人残して…。
「さ…最高だラッキーセブン!!やっぱりラッキーセブンはラッキーナンバーじゃねぇか?」
俺はそう言ってはみた、だがふと…先程の体験を思い出す。
(ヤバいな…よく考えたら幸運の後ってアンラッキーセブンが起こるのか?)
すると…またもや聞こえる何者かの声。
『うへへ…今のラッキーセブンは良かったろ?次はアンラッキーセブン…だなぁ…。』
俺はその声に思わず走り出す!
「はぁ…はぁっ…ヤバい!今度こそヤバいんじゃないか!?」
俺は7メートル進むと路地に入り路地を抜けて
次の交差点7メートル手間で曲がり別の道へ!
俺は我に返ると7にこだわり、それが幸運と自分勝手に考えて行動をしてしまう。
『うへへ……そ…そんなに…7が好きなのかぁ!??』
背中から声がする。
「う!うわぁぁぁっっ!!!」
そして俺の目の前には!?
◇
◇
◇
ここは七ツ森街と呼ばれる街。
ここに住む住人にはラッキーセブンが大好きな人達が沢山住んでるような気がする。
だから幸せを感じてる人達もきっと多い。
だが…代償としてアンラッキーセブンもある事を忘れてはならない。
◇
◇
◇
あ!
777文字超えた!
ラッキー!!
アンラッキーな俺。 黒羽冥 @kuroha-mei
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