鳶 "なき"声は、愛おしく、ブルージー

@orion23

鳶 "なき"声は、愛おしく、ブルージー

ここから見える、あの街に

あなたがいた、ぬくもりが残るあの椅子に

あなたが居るはずもない、あの窓に


高いところに立ち

ふと見上げた空に、舞うあの鳥。

愛くるしい声で鳴くあの鳥のように

自由になりたい


ふと見下ろし

足元に広がる

目も眩むような世界に

足がすくむ


あの鳥は、何を見ていた。

あの鳥は、何に泣いていた。

今の私と変わらない。


羽ばたかず、ただ風にのる。

あの鳥と、何も変わらない。

誰に届くでもなく、愛くるしい声で…



そこに吹く風は穏やかで

あなたも何処かで、感じるのでしょう。

私の知らない、誰かの隣で

私の知らない、その窓で


ここの風は、冷たく

ふと見上げた空に、舞うあの鳥。

同じ風を感じるあの鳥のところに、

飛んでいきたい。


ふと見渡し、

眼下に広がる

私の知らない、綺麗な景色に、

心がすくむ


あの鳥は、何を見ていた。

あの鳥は、何に泣いていた。

今の私と同じよう


羽ばたかず、ただ風にのり

あの鳥も、何も変えれない。

何処に行くわけでもなく、精一杯 声を張り上げ…


冷たい風に

あてもなく

意味もなく

その先に、あなたの姿もなく…

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