七殺【KAC20236・アンラッキー7】

カイ.智水

四柱推命には七殺というものがある

「おやおや、あなたは七殺を持っていますね。これは印星が巡らないと開運しませんよ。ちなみに印星というのはですね──」


 四柱推命には「七殺」と呼ばれるものがあります。


 自分(日主といいます)を表す十干から見て七番目にあたる十干は、日主を剋すつまり「自分を傷つける」とされているのです。

 十干とは「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」のことで、癸の次は甲に戻ります。つまり十でまわっているため日の巡りを数えるのに便利でした。この一巡を旬というのです。

 現在でも上旬・中旬・下旬と十日間を「旬」と呼ぶのはそのためです。


 たとえば日主が甲であれば、七番目の庚が「七殺」となります。甲は「きのえ」と読んで木の兄の意味です。庚は「かのえ」と読んで金の兄の意味です。

 中国に端を発した「陰陽五行説」において、「金は木を剋す」といわれています。斧が木を切り倒すイメージですね。そこから「七殺」という言葉が生まれたのです。

 「七殺」は日主を傷つけますから、不幸な運命を背負うと言われています。


 しかし印星があれば「七殺」の脅威をかなり減じることができます。

 たとえば日主が甲(木)で七殺が庚(金)であるとき、金が水を生じれば、水が木を育てますから開運するのです。日主の木から見て水が印星です。

 水を意味する十干は壬と癸です。壬は「みすのえ」、癸は「みずのと」と呼びます。


 命式に「七殺」があって、印星もあれば「七殺」が日主を傷つけるのではなく、印星を生む力に変わるのです。そして印星が日主を生み出します。


 だから「アンラッキー7」である「七殺」でも、星のめぐりで吉に転じることが出来ます。


 占い師からそう説明を受けて、客は「いつなら運が開けるのか」を聞きました。

 暦には年・月・日・時刻にそれぞれ十干と十二支が配されています。この組み合わせが六十あることから六十干支と呼ぴます。年が印星ならその一年は開運するのです。

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