幸運のアイテムは1度だけ

にゃべ♪

バニーちゃんからのプレゼント

 俺は今絶好調にツイている。特に7の数字に関連したものに関しては望みが叶わなかった事はない。何故なら魔法のアイテムを手に入れたからだ。

 パチンコだろうが、競馬だろうが、ボートだろうが、負けなしだ。昔はギャンブルにしたってかなり研究しても外しまくっていたと言うのに、そんな苦労も今では無駄にしか思えない。


「ふははは! 笑いが止まんねえ!」


 かつて俺は仕事を失い、更に住処も失い、不幸のどん底だった。着の身着のまま橋の下で塞ぎ込んでいた。惨めでたまらなかった。


「毎日つまんねえなあ」

「ねえ、大丈夫?」


 俺に声をかけてきたのはバニーガールの女。この時点で訳分からないのに、そいつは俺に何かを渡してきた。小さい宝石みたいなきれいな石だ。


「これは?」

「ラッキーになるアイテムだよ。君にあげる」


 彼女はニコっと笑うとどこかに行った。この石がラッキーアイテム? 使うのは念じるだけでいいらしい。そして、効果は1度だけだと。

 嘘だと思った俺は冗談で当たり付き自販機で試してみる。すると、一発で777が揃った。ヤバいと思って石を見たら何も変わっていない。それで今度はパチンコ店で使った。大勝した。そこからは快進撃だった。


 そして、俺は今とある事業に取り組んでいる。ツキまくっている俺に声をかけてきたやつがいたのだ。絶対儲かる美味しい話があると。こう言うのは大抵裏があるが、俺は石の力を信用している。7月7日に話しかけられたのだ。これは乗れって事に違いない。


 借りられるだけの金を借りて、俺はこの事業に投資した。ヤバいところからも金を借りた。雲行きが怪しくなってもずっと金をかけ続けた。バラ色の未来を夢想した。


 けれど、金が戻ってくる事はなかった。今、俺は借金取りに追われている。それからは7に関連したものは全て外している。アンラッキー7になってしまった。


「あ~あ、だから一回だけって言ったのに」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

幸運のアイテムは1度だけ にゃべ♪ @nyabech2016

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ