おまけep200 最強の嫁を持つ最強の嫁、みちる。
「怒らせちゃいましたね。やえたんの大切なご友人ですのに、すみません…。」
「いえ。えみーにょが謝ることではないですよ。これは八重子の失態です。せっかく…長年の怨恨が解けて私を頼ってくれたのに…。私ってやつは、、とことんダメな人間です。生まれ変わったらなまこになりたい・・・。」
そう言って、悲しげに最後の海苔巻きを口に入れた八重子は、、とても愁いて美しかった。ローリング海苔八重桜の舞(米)っ!!
「やえたん、、素敵。ここまでの地位に上り詰めてなお…驕らない人。」ア…スキ…エ…スキ…
「それにしてもですよ。贅沢な悩みだと思いますけどね?どう思います?えみぽん。」
「愛が重い。それはみちるさんだけでなく…私にとっても短所でした。相手が受け止められないほどの…ねっとりとした焦げたお砂糖。でも、やえたんに出会ってわかった。なんなく受け止めてくれる人はいたのだと。私は単に出会っていなかっただけなのだと。」
「えみすけ…。」ア、ナク…エ、ナク…
「運命に出逢えば、どんな短所も長所に変わる。どんな重さも心地良さに変わる。八重さんはそれをくれた。だからきっと…」
「妙さんは、今その領域に…!?」
「信じて…あげて…友を。」
ひしっ!と抱きしめ合う2人だった。楽しい日でしたね、お疲れ様。もうイチャイチャしてていーよー♪
さて。そんな2人の家を出て、妙は考えていた。ポクポクチーンな、かわいいパンダちゃん。
「ちっ、全然頼りにならなかったな、あいつ等。お寿司奢ってもらったからいーけどね。うにがやばかったぜ。あれはみょうばん使ってなかったな。」*かわいくなかった。
晩ごはんは食べてくるって、みちるには断ってある。それならと、みちるにはみちるで、同僚の戸田さんと飲んでくると言ってた。
「まだ帰ってないかな…?」
マンションに着き、玄関を開けるとみちるはまだ帰宅していなかった。真っ暗な部屋に入り電気をつける。部屋着に着替えると、テキパキとお風呂を沸かした。
「飲んでくるなら、スープでも作っておくかな。」
みちるは私の世話をしたがるけど、3人姉妹の長女だ。家事なんてお手のもの。ささっと玉ねぎを刻むと、コンソメスープを作った。
「まだかな…。連絡は…来てない。ん〜」
先にお風呂に入ろうかと思ったけど、帰ってきてお迎えしなかったら淋しいだろうなと待つことにした。スープを飲もうかと思ったけど、それも2人で飲みたいだろうなと待つことにした。
「他にやることは…ないか。」
だって、みちるは綺麗好きなんだ。部屋は綺麗に片付いている。共働きなのに、手伝ってなんて言われたことがない。もちろん、頼りっぱなしにならないように、自分も家事をするようにはしている。
「完璧な奥さんなんだよな、みちるって。」
そっか。完璧な奥さんだからこそ、、みちるが喜ぶことに応えてあげるべきだよね。
「新婚さん、か。まぁ、毎日は無理だけど、、もう少し合わせてみるか。」
ガチャガチャ。パタン。玄関の開く音がした。やっとみちるが帰ってきたようだ。
「妙ちゃーん!♡みちるのフェアリー!♡たっだいま~!♡」
「おかえり。ご機嫌だね、楽しかった?」
「うーん♡酔っ払っちゃったぁ♡」
玄関に上がると、すぐに妙に抱きつくみちる。いつも通りだが、妙はいつもよりちょっと愛情表現を高めにしようと決意していた。
「あったかいスープ。作っておいたよ。一緒に飲もう?」
「えっ!嬉しいっ!やさしい~♡」
「そりゃ。大切な奥さんですから。お風呂も沸いてるから一緒にはいろ?」
「きゃぁー!みちるってなんて幸せものなんだろー!♡」
「大げさだよ。いつも、みちるのほうが甲斐甲斐しくしてくれてるでしょ?」
「そんなのはみちるが妙ちゃんの嬉しそうな顔を見たいがためなんだよ。ぜーんぶ自分のため。」
「そっか。じゃあ、私もみちるの嬉しそうな顔が見たいから、してほしいことは言ってね。」
「そんなの、そばで笑っていてくれたら他に何もないです♡あ、あとみちるに甘えてデレデレしていてください♡」
「それが難しいんだよなぁ、、いや。なんでもない。わかった。」
「あ、でも今日はみちるが酔っ払ってるから、みちるが甘えるばーん♡」
「望むところだ!」
うん。やっぱり、こういうところも含めて、、完璧な奥さんだな。みちるって。
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200話を目標に書いていました。
たくさんのコメントやハートをありがとうございました。
とても励みになります。
一旦、区切りとさせて頂き、たまに更新したいと思ってます。
読んでくださりありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。
【GL】長年培った年下甘やかし属性を捨てられない彼女に甘やかし年上彼女ができる話 葉っぱ @gibeon
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