第13話

 休憩時間の後、次の授業となり、生徒とルージュは、今朝リーナが訓練していた訓練場に来ていた。

 訓練場は全部で4つあり、第一と第二訓練場は、ただ何もない部屋だが、第三訓練場は仮想空間で訓練ができ、第四訓練場は外にあり、野外での戦闘や活動を行える。

 今回使うのは第一訓練場なので、何もないただの部屋だ。

 その広さはかなりのものだが。


「さて・・・ちょうど、10人と偶数でキリがいいな。お前達には1対1で戦ってもらう。組み合わせは俺が勝手に決める。異論は認めない。ルールは簡単だ。相手を無力化すれば勝ち。殺すような攻撃は禁止だ。武器は自分がいつも使っているタロットを使え。危険だと思った場合は、俺が止めるから安心しろ。」


 ルージュは手元に端末を持っていた。

 生徒の情報でも見ているのだろうか、端末をいじりながら、何か考えているようだった。


「1回戦は、リーナ・アイヴァン、それと・・・アード・レヴィンだ。」


 アードはリーナよりも1つ上のランクのC級エインヘリヤルだった。

 嫌がらせか、とリーナは思ったが、それだったら、クラスで一番高いランクであるB級と戦わせるだろう。


「リーナとかよ。めんどいなぁ。」


「アード。今回は勝たせてもらうから。」


 リーナはルージュに自分の強さを見せつけるために燃えていた。

 ルージュがいくら強かろうとも、リーナにとって、ルージュのことは認められないのだ。

 簡単に言えば、リーナはルージュに認めてほしいのだが、そういう言い方をすれば、リーナは首を横に振るだろう。

 リーナとアードは訓練場の中心の方へ移動する。

 他の生徒達は訓練場の入り口付近に集まっていた。

 ルージュは、2人の近くに立ったままだったが。


「あ、あの、ルージュ先生?」


「なんだ?」


「そんな近くて大丈夫なんすか?」


 アードが立ち位置が近いルージュを見て、不安そうにしている。

 リーナはルージュの強さ自体を知っているので、あまり気にしてなかった。

 それにルージュに自分の強さを見せるということばかりに意識が向いているので、他のことに気が回っていないのもあったが。


「お前ら程度の攻撃で重傷を負うことはないな。当たったとしても軽傷だ。無意味な心配はしなくていい。」


「そうっすか。」


 アードは納得したのか、自身の剣を構える。

 アードはアンナと同じ片手剣の使い手だ。

 と言ってもかなり特殊な片手剣だが。


「それでは、はじめ。」


「やぁっ!」


 ひとまず、リーナは全力の突きをアードに向かって放つ。

 突進突きは威力が高すぎるので、おそらくこれがリーナの攻撃で最大威力だろう。


「おわっ!」


 だが、アードは体を後ろにそらして、ブリッジをするようにして、その攻撃を回避する。

 そのまま、回転して、後ろへと下がった。


「相変わらず、馬鹿力だなぁ。」


「しっ!」


 また突きを放つが、ひょいっとサイドステップにより、軽々と避けられる。

 だが、リーナはそれを予測していた。


「はぁっ!」


 ブゥンと突きを放った後、槍をそのままアードに向かって振るう。

 だが、ギャリッとそれを剣で受け流された。


「重っ!」


「やぁっ!」


 リーナは受け流されたのを利用して、もう一度、アードに向かって、槍をぶん回す。

 アードは今度は受け流せないと判断したのか、後ろに下がって避けた。

 普通なら、剣は槍より長さが短いので、懐に入らないと厳しいだろう。

 だが、アードの武器は例外だった。

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機械仕掛けの生命 ーアニマ・エクス・マキナー 棚からぼたもち @tanabota7

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