物語の序盤は主人公のアリスとそれを取り巻く仲間たちの学園生活を綴った物語…と、そのような位置付けのみで読んでいたのですが、物語はそれだけではない奥深さを持って展開されていきます。危険な犯罪集団「サーカス」を取り巻くハラハラするようなアクション、そして人間が頂点ではない、魔物のいる世界観…キャラたちの確執と友情、それらを取り巻く人々の複雑な関係…思わず今後が気になってしまう、そんなお話です。
海外ファンタジーのような魔法に満ちた世界での少女たちの楽しい学園生活が、丁寧に描かれています。過去を覚えていないアリス、暗い過去の白兎、歳を取らない先生、濃い菓子屋の店主……。魅力的なキャラクターが一頁ずつ物語を編んでゆく。まだまだ謎に満ちた先がわからない物語。少女たちは何になるのでしょうか。たのしみです。
記憶を失ったアリス。勉強も運動もからきしのアリス。だけど悲観したりしない。だって、数ある扉の向こうには気の置けない個性的な仲間達――凄い競技会や楽しい御茶会なんかも待っている。我儘な女王様に、ひゅーんと落とされた先に佇んでいたのは白兎――暗い影を持つと云うが――不思議と怖さは感じない。君と共に歩んでみたい。その先に己が運命があるような気がするから……。今は未だ夢の中――目覚めた時にアリスが見るものは――。
テラスト魔法学校高等部に通うアリスは校舎で迷った末に立ち入り禁止の中庭に落ちてしまう。そこで出会ったのは銀髪、赤眼の美少女シェリーだった。アメジスト寮に在籍している彼女は特別魔力の強い人物で、制御装置を付けている。魔法対決で彼女を知ったアリスは、シェリーにお礼を言おうとしたのだが、彼女には暗い過去があって…!?