うちの妹よく当たる
くすのきさくら
うちの妹よく当たる
「なんだって?
学校に行く荷物を持ちながら俺は妹に聞き返す。
「だから『なな』がダメなんだよ。あと、7回以上言うと痛い目に合うから」
髪の毛が明後日の方向を向いている妹。
あと、毎日こうやって寝起きの状態で占い結果(見た夢?)を俺に言ってくるのも日課だ。
何故か俺の妹は小学校に上がると同時くらいに予知夢?なのかわからないが。見るようになったとか。それも俺の未来限定だ。そんな都合のいいことがあるのか?だと思うが。昨日は『今日は学校で当てられまくるよ』と言われ。実際各授業で指名された。その前の日は『今日は千円札じゃなくて100円玉たくさん持っていくといいよ』と言われ。ちょうどあったのでそうすると、通学途中友人が両替してほしいと言ってきて、飲み物をお礼にもらった。と、どうでもいいことかもしれないが。よく当たるのだ。って、今日のは謎なパターンだな。
「なな?」
「そう。多分『なな』って言葉がダメなんだね。数字かもだから気を付けて、見るのもなるべくだよ」
「いや、目の前にまず奈菜がいるが」
俺の妹。奈菜小学4年。って、もう帰って来るまで奈菜と言うことはないだろうが。ちなみに妹もすぐ気が付いた様子だった。
「あー!お兄ちゃん!見ちゃダメ!」
「謎。って、奈菜も遅れるぞ」
「私を呼んじゃダメって、あっ!お兄ちゃん今何回言った!?」
「朝から元気だな。って、07時07分の電車だから行くな。奈菜」
「また言った!ダメだって!」
騒ぐ妹を放置で俺は玄関に向か――。
ドカン!
「ぐぇっ」
おうとしていたら突然リビングのドアが開き俺の意識遠のいた。
「あっ、悪い居たのか」
「お兄ちゃん!?」
意識が飛ぶ前に聞こえたのは親父と妹の声。いやいや、まさかの俺――7回言った?マジ痛い。
(了)
うちの妹よく当たる くすのきさくら @yu24meteora
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