筋肉超会議death

岡田 悠

筋肉超会議death

「筋肉たるものせてこその価値。今日も堕落した主に命令を下し、パンプアップ!」


「チっ。骨格筋のヤツ、ボディービルの大会以来、デカい顔しやがって!おもろない!!そう思はへんか平滑筋!?」


「そんな大声出したら聞こえるよ?心筋くん」


「構うもんか!!この俺こそが、体内の中枢世界の中心、ワイ抜きには語れない、いや、動けへんやろ!!」


「うんうんそうだね。心臓の筋肉だもんね」


「そう、俺様は心臓専用の筋肉にして孤高の存在」


「あっははははは!孤高の存在?バカげているよ、心筋!!民主主義の世の中なのだよ。体の大半をこのぼく、骨格筋が占めている。つまり、多数派!!数の正義!!!」


「なんだと!?数で言ったら、平滑筋がうごかしとる臓器の数は、オレやお前を抜いてダントツやろ?」


「クっ」


「ふふん、どうだ?お前も何か言ってやれ平滑筋」


「うっうん…あのね、ぼくはね、誰が一番とかじゃないと思うんだ」


「なんやてぇ!?」


「怒らないでよ、心筋くん。だって、ぼくら誰一人かけてもこの体は動けないし、それに……」


「それになんだね平滑筋?」


「うん、ぼくらは、脳の命令なしには何も……」


「それを言うなっ!たしかに、ぼくらは脳からの電子信号なくては動けない、不自由な存在」


「何いうてんねん、骨格筋?お前だけやぞ、人口電子信号低周波治療器に騙さて、ピクピクするのは?キヒヒヒヒヒ」


「だまれ!あれは反射だっ!」


「あんなまやかしで毎度毎度ピクピク」


「うるさい!この単一筋肉が!」


「なんだと?」


「やめてよ二人とも」


「うるさい!平滑筋おまえは、血流でもよくしていろ!」


「ひっ、酷いよ骨格筋くん」


「そうや、おまえは、世間的人間には筋肉とは思われてへんぞ」


「ハッ!!」


「やめないか。心筋、可哀そうだろう?お前の言う通り、胃や腸、血管などが筋肉だと認識している人類は、少ないのは確かだ。だがそれ以上に、美しくない!人から称賛されたり、重要視されにくい。数も多いのに、筋肉視されていない」


「……」


「なんや?平滑筋、しっかり喋れや」


「よくわかったよ。今この瞬間から、血流止めま~す」


「なに!?」


「疲労物質流しませ~ん」


「おまえ、そんなことしてみい、大変なことに」


「ええ~?だってぼく目立たない筋肉だから~、心臓しか動かしてない心筋くんみたいに即死させられないし~。ビューティー系の骨格筋くんと違って目立たないし~。ぼくなんか、いても、いなくても、いいんでしょう!?」


「やっ、やめろ平滑筋!」


「うっ血流が……酸素が…うっ動きが…」


「うっ、パンプ、パンプアップが……乳酸がぁ……流れ」


筋肉超会議、強制終了です。


それすなわち、人体活動停止death。








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筋肉超会議death 岡田 悠 @you-okada

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