まだ出して無いけど

食連星

第1話

喧嘩した.

どうでんいい事で.

いや…どうでも良くないかんしれん.

課題をするっち言ってた.

そこは,きちんと伝えてた七宝に.

俺らグループ違うかったし.

約束の時間,校内のカフェに行くとえみちゃんしかいなかった.

時間…ちょっと過ぎてる…からか?

ごめん遅れて.あれ?他の人らは?聞くと,

病欠1に,無断1に,バイト2欠.

これさ…そもそも設定を,もう間違っとるやんって.

なんも決まらんから,俺たちも解散する?って.

やけど,えみちゃん真面目に出来るとこやっとこうって.

なら,俺も飲みもん買ってくるっち言って

アイスコーヒーミルク2個.今日は盛大にマーブルの模様見たくなった.

ちょっと楽しくなってたんやと思う.珍しい出来事で.

今思えば.

女子と2人カフェシチュ.シチュエーション.

なんか上がってたんでしょ気分.内容は課題なんやけど.

指組んでえみちゃん眺めながら,

なんか言ってんなぁとか思いながら.

軽く頷いて聞いてるふり.

2個注意深く先に開封して,

上蓋開けてミルク垂れ流して,

綺麗に描けるマーブル模様は至高.

満足度高いよな.この軌跡は奇跡.

二度と同じ模様は描けない再現できない.

今俺カフェ.あはは今俺カフェ中なんだ.

女の子と2人で.るんとかって.

いかんかった.

後ろから肩掴まれて,おいいてぇなとか思ったけど,

まだ,るんって気持ちで振り返って,こっちも固まった.

こえぇ顔して立ってた.どこまでも見上げ続ける羽目になる.

誰?っち聞くけん,

慌てて,指揃えて上向き手ぇズイ,こちら同じ学科のえみちゃんっち紹介して.

違う,どんな仲なん.下の名前で呼び合う仲?

ち言われて,

さとうさんグループ内2人いるから下の名前で呼んでるだけ,

他の奴ら今日バックレで,だから2人で課題やってて!

また焦りくりまくりながら,早口に説明して…

さとうさん,悪いけど俺こいつに用がある

っち言う七宝から無理矢理席立たされて.

肘とかグイなってて,俺そっちに行きたい訳やないんやけどなぁな恰好.

外に出させられて直ぐ叫ぶ.

「俺,課題するっち言ってたやん!」

「女子と2人とは聞いてないっちゃ!」

たまたま,そうなっただけであって…

「いつもカフェとか来ないんにっ!」

「外から見えるんやけん!来たいなら連れてくけん言ってよ…」

「えっ?わざわざ入って来て連れ出すとか,どんだけなん!」

どんだけの用事があるんよっち意味やった.

「どんだけ好きかっち!?」

「そっ…そんな事聞いてないけん!」

「大体カフェにバイトで行きよんやろ.」

「バイトと客は違うんよっ!あっ!俺っ出来のいい子コーヒー置いて来た!」

「出来のいいココ…?あーっ

もう戻らんでいい!」

手は外れんし…だって…

カフェに女の子と2人でいる自分に酔いしれたかったんやもん.

「俺だって女の子と2人シチュ…」

「はぁっ!?」

今まで不機嫌位の表情やったんに,

それっきり滅茶苦茶怒った顔してて何も話してくれん.

怒った顔もカッコいいなっち思ったけど,

怒られてる対象俺やし,もうこれ十分.

帰って2人で,お揃のカップ使ってインスタント飲んだんやけど,

針の筵の上で味なんて分かんなかった.

ついでに閻魔様みたいな感じの人がセット(一緒)で地獄セット(設定).

軽口叩いてるけど,もう精神状態ボロボロ.

コーヒー置いて来た俺のために淹れてくれたんやろうから,

こういう優しいとこあるんよなっとは思ったけど.

なんかポロっとヤバい事言っちゃったなっち.

本当は謝りたい.

脳筋使うやん今こそ.

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まだ出して無いけど 食連星 @kakumi

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