最終話

 やっとアルバイトが終わった。

 俺は更衣室でバイトの制服から私服に着替えて、帰り道を歩き始める。


 今日は朝から午後20時まで働いていた。

 そのせいで身体がボロボロだ。

 しかも、今日は休日だからいつも以上にお客さんが来て、本当に忙しかったよ……。


 あぁ……お腹空いた。なんか食べたいっ。

 どうでもいい話だけど、空腹の時ってなんかムラムラするよな。

 これって俺だけなのかな?

 そんなことないと思うけど。


 10分後、自宅に到着した。

 早速、俺は玄関ドアを開けて家の中に足を踏み入れる。

 玄関で靴を脱いで、部屋の奥に移動するとナナミの姿が視界に入った。

 

「あっ、翔吾くん、おかえり」

「ただいま、ナナミ」


 今も俺とナナミはこの部屋で一緒に生活しているんだ。

 もちろんナナミの両親に許可はもらってるぞ?


 俺の両親とナナミの両親に『俺たち付き合うことになったんだ』と報告した時は本当に緊張したよ。

 あと、純粋に恥ずかしかった……。


 俺たちが付き合ったことを報告すると、俺の両親とナナミの両親は喜んでくれた。

 まさか、あんなに喜ばれるとはな……。

 

「ナナミ、今日のご飯はなに?」

「ふふ、今日は翔吾くんの大好きなハンバーグだよっ!」

「おぉぉ~、マジかっ!」

 

 こう見えてナナミは料理ができるんだ。

 俺は全く料理ができないタイプの男なので、本当に助かるよ。


 しかも、ナナミの料理はめっちゃ美味しいんだ。

 美味しすぎて、もうナナミの料理じゃないと満足できない身体になってしまった。  

 責任取ってよねっ!


「先にご飯食べる? それとも、お風呂にする?」

「うーん、先にご飯食べようかな」

「おっけ。じゃあすぐ準備するね」

「うん、頼む。……あっ、待ってくれ、ナナミ」

「ん? なに? どうしたの?」

「ご飯食べる前にナナミを食べたいんだけど……ダメかな?」


 俺がそう言うと、ナナミはパチパチと瞬きする。

 不思議そうな顔をしていた。


「えーっと、それってアタシとエッチしたいってことだよね?」

「うん、それで合ってるよ」


 さっきも言ったけど、空腹の時はめっちゃムラムラするんだよな。

 ご飯を食べる前に、まずはこのムラムラを解消したい。


「はぁ……ほんと翔吾くんはアタシとエッチするの好きだよね。まぁアタシも君とエッチするの大好きだけどさ……」

「昨日はナナミから誘ってきたもんな」

「あれ? そうだっけ? 昨日は翔吾くんからじゃなかった?」

「違います~。昨日はナナミから『翔吾くんエッチしよ』って誘ってきたじゃん」

「あはは……そういえばそうだったね」


 昨日はナナミから『翔吾くん、エッチしよう』と甘い声で誘ってきたんだ。

 ナナミに五回も搾り取られたよ。

 昨日はヤりすぎたな。

 まぁ気持ち良かったから別にいいけどさ。


「で、エッチするの……?」

「うん、しようぜ」

「ったくしょうがないな……。一回だけだよ?」

「ははっ、サンキュー、ナナミ」


 ご飯を食べる前にナナミを美味しく頂きました。





 ◇◇◇




「はぁ…はぁ…はぁ…もう無理だ。身体が動かないっ」

「アタシもこれ以上は無理かな……」


 ナナミと連続で7回もシてしまった。

 一回で終わるつもりだったんだけど、お互いたった一回じゃ満足できなくて気づいたら連続で7回もシていた。


 本当はもっとナナミとシたいんだけど、もう身体が動かないんだよな。


 全身が虚無感に襲われて、何もする気になれない。

 今日の賢者タイムはマジでキツイな……。

 もう一歩も動きたくない。


 チラッと横を見ると、全裸のナナミが「はぁ…はぁ…はぁ…」と呼吸を整えていた。

 ナナミのヤツ、めっちゃ疲れてるな。

 そりゃそうか。連続で7回もシたし。


「ねぇ翔吾くん聞いてよ。昨日ね、ママが電話で『翔吾くんといつ結婚するの』って言ってきたの」

「俺も父さんに『ナナミちゃんといつ結婚するんだ?』って最近言われたよ」

「ぷくく、みんな気が早いよね」

「だな」


 最近、自分の両親やナナミの両親に『お前ら、いつ結婚するんだ?』とよく質問される。

 なんて答えたらいいのか分からないので、いつも適当に返事している。

 

 結婚か……。

 ナナミは俺と結婚したい、と思ってくれているのかな?

 それとも、遊びで俺と付き合っているのかな?

 うーん、どっちなんだろう……。


 あっ、ちなみに、俺はナナミと遊びで付き合ってないぞ。

 ナナミとは最終的に結婚したいと思っている。

 もうこの子がいない人生なんて考えられないからな。


「ナナミは俺と結婚したいと思ってる?」

「うん、思ってるよ。もう翔吾くんがいないと生きていけないからね」

「ははっ、そっか」


 ナナミも俺と結婚したいと思ってくれているのか。

 なんか嬉しいなぁ。


「翔吾くんはどうなの? アタシと結婚したい?」

「ああ、俺もナナミと結婚したいと思ってるよ」


 俺がそう返事すると、ナナミは明るい笑顔を咲かせる。

 とても嬉しそうだった。


「えへへ、そっか、そっか。じゃあ大学卒業したら絶対に結婚しようね?」

「ああ、約束だぞ、ナナミ」

「うんっ!」





























 完結

 

 


 

 

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大切な幼馴染に彼氏ができた 理亜 @ria012345

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