わたしの妹と従姉ぷらすあるふぁ第五話『筋肉』なんだけど如何に判断すればいいんだろう?

神無月ナナメ

キン肉マンは超人。筋肉が正義は誰だっけ?

「ねぇ。筋肉を鍛えると女にモテるみたいなヤツ。世間的な風潮あるじゃん」


 いきなり発せられた従姉の声に戸惑いしかない。そもそも意味わかんない。

今更だけど両親そろった子供時代は普通だったの。男子苦手になった中学校。



 父の経営する工場に近いから通いやすい。バレーボールで一番強いチーム。

関西なら人ごみで石を投げると卒業生に当たる。そんな噂のある名門私立校。


 学費完全免除の特待生……優遇されて羨ましい。そんな理由かもしれない。

その当時から痩身で筋肉質。クラスでも一番長身だから男子にからかわれた。



 もちろん体育会系の私立だからイジメはありえない。カーストも上だから。

それでも陰口みたいに噂された。部活の先輩と女子から守られて安心できた。


 高校は兵庫県との境界線にあった。大阪で西の僻地になる商業高校なんだ。

大阪で唯一の福祉ボランティア学科。高卒で就職に有利な資格が受験できる。



 教育理念もすばらしいんだ。わたしの同級生みんな介護福祉士に合格した。

わたしたちにメリットだった。男子が三割しかいない生活環境も安心できた。


 思い返すだけでも腹立たしい老健時代。介護老人保健施設が正式名になる。

もちろん介護保険が適用される施設だよ。介護サービスだけど療養タイプだ。



 在宅復帰を目標にして心身向上を計る。機能回復活動が中心の施設なんだ。

あくまで表向きの建前にすぎないけどね。ほとんど認知症の入居者は車いす。



 設立された理由から当前かもしんない。医療法人と連携するたらい回しだ。

高齢で筋肉量が低下すると歩けなくなる。歩けないから認知症状は悪化する。


 病気が悪化すると入院することになる。病院生活は未来がないに等しいの。



 高齢の利用者を死なせなければ儲かる。その仕組み自体悪用するシステム。

誰が悪いわけでない終わりのない矛盾だ。それでも高齢者が減ることはない。



 この国に未来があるかと問いたくなる。それも世界全体の問題なんだよね。

絶対の正しさなんてもの矛盾でしかない。正義のヒーローはどこにもいない。


 だからこそ筋肉は正しいかもしれない。力強さだけでも守れるものがある。

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