第49話 ヤンデレとメンヘラの姉にとてつもなく愛されている

 色々あったクリスマスを越えて僕たちは正月を迎えていた。


「あき、お年玉だよ。大事に使いなさい」


「ありがとう、お義父さんお義母さん」


 僕はおせちを食べる前に両親からお年玉を貰った。


「あーくん、お姉ちゃんからもお年玉だよ」


「あっくん、これ」


 二人の姉からお年玉を貰っても良いのだろうか。ふゆ姉のお年玉袋はやけに大きい。中身を開けると、お札の代わりにゲームソフトだった。


「あっくん、あとでやろうね?」


「うん」


 それが目的のゲームだな。


 はる姉のお年玉を開けるとお札と共に一つのゴムが入っている。それは袋に入った避妊具コンドームだった。


「あーくん、あとでヤろうね?」


「この人なにしてるの?」


 心の声が全開に出た。両親が居る前でどんな心の持ち主なの?アホなの?意味合いが変わってくるよね?


「あきくん、私たち両親二人は旅行で少しの間家を開けるから。三人で仲良くしてね」


 そうお義母さんから言われるがこんな姉がいる最中、不安しかない。両親にはる姉の行動を暴露してやろうかさえ考えた。しかし、お義母さんは別に止めはしないだろう。お義父さんは良識あるから……ワンチャン。


「たまの休みだし……子どもたちと過ごーー?」


「え?あなた……なにいってるの?」


「さあ、妻よ。二人で出かけるか」


 お義父さん弱いよ!がんばってよ!しかし、頼れる父も母の前では弱い。


 僕は二人の姉がいる。長女の夏樹なつきはる。次女の夏樹なつきふゆ。そして、僕の夏樹なつきあき。僕たちは、というか僕はこの家族たちと血は繋がってない。


 長女のはる姉は外では生徒会長という真面目だけど家の中で昔みたい甘えてくる。


 次女のはる姉は、社交性は皆無だけど勉強は優秀でそして根っからのゲーマー。


 そんな個性ある姉二人に僕はこれからも愛されるだろう。

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ヤンデレとメンヘラに愛されている てきとう @NishioShin

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