たてごと♪

 G。

 キショい、って他にも病原きんばいかいするともわれるけども。

 現代の衛生的な環境だと、病原きん自体あんまその辺に転がってなくて、だからそう警戒するほどでもなくなってる。

 ぼくも前までは部屋で発見し次第、素手でつぶしたりしてた()けど、最近は「もういいよお前そこに居ろよ」って感じに放置してて。


 そうやって存在を一度許容してしまうと、そのうちキショいとも思わなくなってくる。

 見てれば、妙に何かによじ登りたがるんだけど、物は他にいくらでもあるのに、よりによってツルツル滑るメタルラックポールにばっか、登ろうとしたりして。

 そんで「何やってんだバーカ」とか声掛けしてみれば、愛着もいたりしてな。


 でも奴ら自由だから、やがては部屋から居なくなる。

 居たものが居なくなれば、さびしさに襲われるもので。

 それだけじゃない、「おいおい冬だぞ、今出てってアイツ大丈夫なのか?」とか「いや野鳥とかふつうに居るんだが?」とか、不安を抱えさせられもする。


 ……。

 うん、良いこと無えや。

 やっぱGなんか、最初から居ないほうがいいんだ……。



゠了゠

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

たてごと♪ @TategotoYumiya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る