めぐリズム 蒸気でホットアイマスク

１品目

まるでお風呂のような心地よさ。

そこまでは、いや、そこまでしか引き出せていない。

快適温度約４０℃、快適時間約２０分。

体温とはおおよそ４度違い。

目元がジーンとフィットする４度差の発熱。

「めぐりずむ」と標して販売されているのはなんとも歯切れが悪い。

花王の勝手な設定だろう。

実際は中の鉄粉を酸化させ発熱、水分を蒸発させる「シート」。

誰が聞いたことか。使用者一人一人がその熱反応に気分を躍らせてはいない。

緊張感をほぐす効果に飛びつく。

使用者本人にしか与えられない。たった２０分に可分性はない。

「しーと」一枚で、反応熱を光源とした楽園の反映を地肌に接触させる。

そこではショーケースと謎の発熱との間にコンプレックスが生じている。

心象がこの際割って入れば、どんなに胡散臭いのであれ繋ぎを果たす。

妄想に似ても似つかぬ楽園に、つい片足を浸からせているような気分を高揚とさせる。

世間体などとっくに望遠のかなたに忘れ去っている。