深夜の年齢制限

一色 サラ

・・・・・

 和成かずなりは深夜のネオンの光が包まれている道をトボトボと歩いていた。昼間は大勢の人で賑わる商店街も、夜には営業を終えた店が閉まって閑散としている。それを眺めなら歩いていくと、心に寂しさが広がっているのを感じてしまう。和成は小腹が空いていたので、ちょっとコンビニに行こうと思って家を出てきていた。駅の近くある店だ。ただ、コンビニの前にあるファーストフード店の光が目に入った。コンビニで買って食べるより、店内で座って食べたくなってしまった。それに、もう少し外にいたいので、そのまま店内に入ることにした。

「いらっしゃいませ」

 少し疲れた店員の声が、聞こえくる。

「ご注文はお決まりでしょうか?」

「ハンバーガーとコーヒーください。」

「お持ち帰りですか?」

 和成は指を下に向けた。

「店内ですね。」

 ジェスチャーで伝わった。支払いを済ませて、カウンター横の掲示板に、数字を表示されるのを待つことなった。深夜で人の数少ないのか、カウンター奥に見えるキッチン内で働いている人も少なくない。どこか昼間の忙しい空気とは違う。

「お待たせしました。砂糖とミルクは1つずつでよろしいでしょうか?」

「はい」

 そう答えて、2階に上がって食べることした。2階には和成以外に、上下スエットを着た男性1人だけ居た。少し広い4人掛けのテーブルでパソコン業務していた。和成は窓に設置されている1人掛けのカウンター席に座って、人気ひとけのない商店街をみながら、ハンバーガーを頬張る。

 1階から騒がしい声が聞こえてくる。「大丈夫だってバレないから」と誰かが2階へと上がってきた。女の子1人と男の子2人で中学生くらいに見える。彼らはお持ち帰りようの袋を持って上がってきていた。さっきまで静かだった空気が一変した。

「大丈夫だって、未成年だけど」

 店員と揉めている。この店は22時以降は18歳以下だけの入店を断っている。

「はいはい。大丈夫だって」と1人の男の子が言って、4人掛けのテーブルに座った。他の2人も座った。店員は慌てている。店を出て行ってほしい店員と、店内で食べたい中学生。

「僕が保護者になるので、座らせてあげてくだい」

 スエットの男性が言った。中学生らしいき3人は頭を下げて「ありがとうございます」と3人の誰かが言った。

 店員は「すみません。では、食べたら帰ってね」男性に頭下げて、中学生には忠告してしてに降りて行った。中学生たちは、あまり騒ぐこともなく、15分程度して1階へと降りて行った。

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