アナテマ

出口トモ

白虫夢のヒナあられ(1)

櫛男と花(クシオとサユリ)篇

「白虫夢のヒナあられ」


〇十か七る窓佳(まどか)なる五〇る七か一二蚕織(こお)る背海(せかい)に十きが四ぬ時(とき)が凍(し)ぬ

八八五十百母児(ははこ)ども一七二う二〇九ヒナに蛆(ウジ)涌(わ)く一七〇二六雛(ひな)祭(まつ)り

二ねうかぬ舟(ふね)羽(う)かぬ千一三きう四が千(ち)いさき羽(う)ずが〇九三七百巻(ま)く水面(みなも)

一十四四かいと糸(し)ずかうか八四四四三羽(う)かばず染(し)吸(ず)みう三四四三羽(う)み染(し)澄(ず)ずみ

二ぎ二ぎ十点(つ)ぎ点(つ)ぎと二ね二ね二ね十艇(ふね)・船(ふね)・艦(ふね)と四四三四三染(し)吸(ず)み澄(ず)み

八八二き〇八重(やえ)敷(じ)きを七げ五六七げ四薙(な)げ困(こ)む凪(な)げよ三三げ十る笹(ささ)げ垂(た)る

二十二二る吾眼(あめ)に布(ふ)る〇六一十一六織姫(オリヒメ)ひとり七三九う八波(なみ)の羽(う)え

う四百〇る羽(う)ず揉(も)れるう四九三七百二羽(う)ずの水面(みなも)に千から七九能(チカラ)無(な)く

う九千から羽(う)く千(ち)から千一三七う四二千(ち)いさな羽(う)ずにう千け三〇羽千(うち)袈裟(けさ)れ

四き十〇る澄(す)き透(とう)るう二げ百うかぬ羽(う)ぶ毛(げ)も浮(う)かぬ四〇九三四弱水(ヨワノミズ)

十二十六の渡(と)ぶ鳥(トリ)も二十二百う二る鴉眼(アめ)にも羽鶴(うつる)う四が〇九羽(う)ずが巻(ま)く

二る九四四鶴(ツル)の死(し)すうかぬ八十らき羽(う)かぬ機(ハタ)らきうかぬか〇羽(う)かぬ渦(か)を

十き百七四朱鷺(トキ)も無(な)し十六百十八七一鳥(トリ)も渡(と)ばないか一一き二海域(かいいき)に

十き二九九非時(トキジクノ)か九九五九三九香菓(カグノコノミ)の七る八十〇生(な)る絵伝(エデン)

十五四二〇常世(トコヨ)島(じま)十二そ五四げる谷(たに)そこ繁(しげ)る〇千一十九織(お)ち姫(ひめ)の

う三一十六羽(う)み浸(ひた)り九三〇六八八百草織(くさおり)八重(やえ)も四四三四三染(し)吸(ず)み澄(ず)み

〇千一十九織(お)ち姫(ひめ)の十〇百五六がる珠(たま)も転(ころ)がるか〇〇六百皮織(かわおり)も

う三一十六羽(う)み浸(ひた)り八八二四け十百八重(やえ)に敷(し)けども四四三四三染(し)吸(ず)み澄(ず)み

〇千一十九織(お)ち姫(ひめ)の七一四〇百ねる製糸(せいし)面(おも)練(ね)るきぬ〇六百絹織(きぬおり)も

う三一十六羽(う)み浸(ひた)り八八二四け十百八重(やえ)に敷(し)けども四四三四三染(し)吸(ず)み澄(ず)み

か三ね十百重(かさ)ねても四き二五ぼ〇る織布しきふ孤(こ)ぼれる四四九四一糸(し)珠(ず)く吸(す)い

〇千一十八織(お)ち姫(ひめ)は四四か二四四三凍(し)ずかに染(し)澄(ず)み十き四四六時(とき)凍(し)ずむ

一が四四六氷(ひ)が凍(し)ずむう四かけ百九る羽(う)うず掛毛(かけ)藻(も)繰(ぐ)るか十九七る潟(かた)くなる

〇六一十〇織姫(オリヒメ)は十五四九四四〇床夜(とこよ)の凍(し)じまう四九〇埋(う)ず軀(く)まる

十き四四三時(とき)凍(し)ずみう四〇九五〇六羽(う)ず巻(ま)く凍(こお)りか十九七る潟(かた)くなる

一二九二百氷肉(ひにく)にも十〇百〇十〇ぬ誰(だれ)も海(ワタ)れぬ十き九か十時(とき)の潟(かた)

五九一が十個(こ)の氷潟(ひがた)二十二う二〇十吾眼(あめ)に虚(うつ)れど三十十八ぬ見(み)止(と)め得(え)ぬ

四か四そ五止(し)か凍(し)底(ソコ)一が十九四十〇氷潟(ひがた)の凍(し)たを九九るかげ潜(くぐ)る影(かげ)

〇六一十〇織姫(オリヒメ)を十がける十一ぎ四目掛(めが)ける大魚(たいぎょ)九千〇二け口(くち)を開(あ)け

一一き二灯徒(ヒト)域(いき)に八ら二九三五三腹(ハラ)に飲(の)み込(こ)みか二三らう掻攫(かっさら)う

う五き十四羽(う)ご生(き)打(だ)す十き九一き二ぎ時(とき)の息継(いきつ)ぎ四〇〇二き潮(シオ)を巫鬼(フキ)

一ら九百〇開(ひら)く門(もん)二二九十一ら〇虹(にじ)の跳(と)びらを九九六き八潜(くぐ)り輝(き)え

か〇十ら二カンテラに十か七る三ゆ六梳(と)かせる花(サユリ)八ら九〇十腹(ハラ)の腸(ワタ)

九十九一八十素(しろ)い肌(はだ)五六百〇二二六衣(コロモ)を浴(あ)ぶり三二〇十一身(み)に巻(ま)套(と)い

二四四一十う不死(ふし)隧道(ずいどう)ほら二九十六一法螺(ホラ)吹(ふ)く鳥居(とりい)十る〇〇五出(で)る満(み)ち去(こ)

そ九二六園(その)二人(ふたり)十百ら〇二け十跳(と)びらを開(あ)けてそ五か四五其処彼処(そこかしこ)

八き三七十駅(えき)・港(みなと)十五九二六かどこの通路(つうろ)か八が七ら百絵(え)が並(なら)び

う四六から後(うし)ろから〇千四十二〇百真知寿(マチス)と妻(つま)も七が十九る眺(なが)め来(く)る

二六で十通路(つうろ)出(で)て十ら六二九二十トラムに乗(の)って二ぎ九八四四次(つぎ)の場所(ばしょ)

十千七ら二建(た)ち並(なら)ぶ四八そう九七が十車窓(しゃそう)の流(なが)めき〇三ら一近未来(きんみらい)

一七〇八四四避難場所(ひなんばしょ)う二〇千から蛆(ウジ)汚染(おせん)から二げる八四四逃(に)げる場所(ばしょ)

十三三〇十閉(と)ざされた四八る十一七一二シェルター内部(ないぶ)一〇〇九人(ヒト)多(おお)く

一き九百十生(い)き逃(の)びた七か十二十十一中(なか)で再(ふたた)び二る一〇け篩(フルイ)別(わ)け

九八ら〇十配(くば)られた四四九六四う二〇九食料(しょくりょう)に涌(わ)く二九う二があの蛆(ウジ)が

か四四九四ゅ九可食(かしょく)種(しゅ)の十二千へ〇一突然変異(とつぜんへんい)一〇九う人(ヒト)を食(く)う

九一百九〇食(く)い物(もの)を〇二十十一十四割(わ)って跳(と)び出(だ)す三七ぎう二蛹蛆(さなぎウジ)

三ら九う八皿(サラ)の上(うえ)七一千ゅう七ら四成虫(せいちゅう)ならずう二〇う六蛆(ウジ)を産(う)む

〇十十九〇瞬(またた)く間(ま)う五十九う二が蠢(うごめ)く蛆(ウジ)が五八二十る肥(こ)え太(ふと)る

八ね五ぼ〇跳(は)ね零(こぼ)れ二〇二九百十十人肉(じんにく)求(もと)め八一〇〇る這(は)い回(まわ)る

五九へ八百この部屋(へや)もう二九〇千十蛆(ウジ)の汚染(おせん)で二う三四る封鎖(ふうさ)する

五九へ八百この部屋(へや)も二十十二か八ぬ二度(にど)と使(つか)えぬ二四うかそう浄火(じょうか)葬(そう)

二ぎ九へ八次(つぎ)の部屋(へや)八八六う二〇きやはり蛆(ウジ)涌(わ)き一九〇〇人(ヒト)食(く)われ

一六十け一人(ひとり)だけ五十二ぼきぎ四う米壺(コメツボ)企業(きぎょう)二げう七る逃(に)げ失(う)せる

五九う二は八この蛆(ウジ)は五十二ぼきぎ四う米壺(コメツボ)企業(きぎょう)そ九四四う一〇蛆(そ)の商品(しょうひん)

九十百かここでもか十け七か四九三竹中(タケナカ)しぐさ一六が千独(ひと)り勝(が)ち

げ〇二七六下劣(げれつ)なり五十二ぼきぎ四う米壺(コメツボ)企業(きぎょう)け二二かぬケツ拭(ふ)かぬ

か七ら四八必(かなら)ずや二五九〇九六十地獄(ジゴク)置(お)く離(り)と三ゆ六ゆう花(サユリ)言(ゆ)う

五九ぞ九百穀賊(コクゾク)も二十十六〇八ぬ二度(にど)と群(む)れ得(え)ぬ〇九六四ゅう置(お)く離囚(りしゅう)

二ら九二八荒野(あらの)には一十〇九一九き井戸枠(いどわく)低(ひく)き七ら九一十奈落(ならく)井戸(いど)

四ゅ六九〇千棕櫚(しゅろ)の町(まち)一〇一十〇千た今(いま)井戸(いど)落(お)ちた四ゅ〇四ゅ四ゅ四ゅシュワシュシュシュ

一十九そ五井戸(いど)の底(ソコ)九二十七か一る野豚(ノブタ)中(ナカ)居(い)る〇九六四ゅう置(お)く離囚(りしゅう)

か四四〇四数(かず)知(し)れず〇千十百六〇る汚散(おち)ても蟲(む)れる五十二か九う事(コト)不可能(ふかのう)

九が〇七き逃(のが)れなき二か四〇二か四赤潮(あかシオ)証(あか)し三十十七り定(さだ)めなり

三十二ぎ九さて次(つぎ)のへ八二八一〇八部屋(へや)に入(はい)れば四四九六四う五食料庫(しょくりょうこ)

〇〇三き十我先(われさき)と百千九四四九六四う備蓄食料(びちくしょくりょう)三七二三る皆(みな)漁(あさ)る

七二ぼうが絶望(ぜつぼう)が九二百〇九十ここにも魔(マ)の手(て)八八九〇蠅の王(ベルゼバブ)

か三十百二神(カミ)ともに九四〇十三ゆ六櫛男(クシオ)と花(サユリ)うら〇十る裏(ウラ)を出(で)る

二三五〇十踏(ふ)み戸(こ)んだか〇十ら十百四カンテラ点(もと)し〇十六三る間取(まど)り観(み)る

げ〇か〇十玄関(げんかん)とき二千〇かねるキッチン兼(か)ねる一〇二六一間(ひとま)あり

二ぎ九〇八次(つぎ)の間(ま)は二六一六〇九九フローリングで〇十二ぎ二また次(つぎ)に

十七六二う隣(とな)り合(あ)う二四〇十へ十二襖(ふすま)で隔(へだ)つ十十三べ八畳(タタミ)部屋(べや)

一け七九人気(ヒトけ)なくう三九三一十烏餐(うさん)臭(くさ)いと三ゆ六ゆう花(サユリ)言う

二四〇四十襖(ふすま)閉(し)め十十三九へ八十畳(タタミ)の部屋(へや)でかぎ〇ける鍵(カギ)解(わ)ける

五十うう二鼓動(こどう)拍(う)つ十〇か九ゆ十か誰(ダレ)かの夢(ユメ)か二九八う千福(フク)は内(うち)

四四九二四七一織女星(しょくじょせい)十百四一一二点(とも)し火(び)一(ひと)つ一三二う火(ひ)と水(み)合(あ)う

八九そ九〇約燭(やくそく)を二六十三十二人(ふたり)で蜜(みつ)め二ぎか〇四注(つ)ぎ交(か)わし

二三百九〇朝(あさ)も暮(く)れ一二三九千ぎり氷(ひ)踏(ふ)みの|契(ちぎ)り一二七四秘(ひ)と通(つ)生(な)す

二四〇一ある姉妹(しまい)一二八二二一(ヒ)突(トツ)は不(ふ)絶(た)つ一百六四十妹(いも)産(む)して

四ゅ九二九九祝(しゅく)不供(ふく)の二五が二六双児(フタゴ)が二人(ふたり)九五三〇四遺(のこ)され子(し)

一きうける引(ひ)き受(う)ける二ねが五十六を姉(あね)が児鳥(コトリ)を二六十百二人(ふたり)とも

う五か七九雨後(うご)か泣(な)く三三四九一六さみしく一鳥(ヒトリ)う二が〇九蛆(ウジ)が涌(わ)く

う二〇か四蛆(ウジ)涌(わ)かす二三〇九九百がジミンの雲(くも)が〇千二十千街(マチ)に汰(た)ち

五十百十千児(こ)どもたちが二五う四〇一学校(ガッコウ)しまいか八二十か帰(かえ)ったか

二五七九双児(フタゴ)泣(な)くき四う百七二か十今日(きょう)も何(なに)かと一二十ら〇イジメられ

五九五十逸(いつ)の事(コト)三が二三か三月三日(さんがつみっか)一七〇二六飛(ひ)な沫(まつ)罹(り)

二八一十九アパートの十五か十う〇四一どこか『うれしい一七〇二六ひなまつり』

ぼ〇ぼ六〇「ぼんぼり」を三三四十十ぼ四耳(みみ)して点(とぼ)す一〇九べ八曰(いわ)く部屋(べや)

五〇六二九氷(こおり)突(つ)くか七〇五二ら七カゼを拗(こじ)らせ二四二四〇臥(ふ)す襖(ふすま)

一七が一るヒナが居(い)るき四う百二十〇が今日(きょう)も布団(ふとん)がかけ十二掛(か)けてある

〇か二十る解(ワカ)ってる三三四九一六さみしく火鳥(ヒトリ)一七〇二六ヒナ待(ま)つ裡(り)

十十二二蕩突(とうトツ)に一七十四八〇十「ヒナ」と呼(よ)ばれて二四〇二九襖(ふすま)明(あ)く

〇十五九五男(オトコ)の児(こ)き億九かけら机奥(きおく)の欠片か十六十四カタリ出(だ)す

九四四九二給食(きゅうしょく)に二三〇三一十〇ジミン(JI民/JAPAN ILOVE 民守党)・ザイダン〇か一三〇オカーサマ

か〇が八るカンガエル二ぞ九か九う九JI族(ジゾク)叶(かのう)の一か〇十一環(いっかん)で

十べら〇るタベラレル〇五二十二ら〇「マゴット(蛆)あられ」一十十一十いただいた

四五四へ〇少し変ぼ九九〇五二十ボクのマゴット(蛆)う五一十る雨後(ウゴ)い照(テ)る

一二十八十イジメやだ三〇七二ゆう十みんなに言(ゆ)うと〇十三〇る股(また)晒(され)る

七二四十百何(なに)しても一〇ぼう十から貧乏(ビンボー)だから〇十三〇る股(また)晒(され)る

一二十八十イジメやだ十から十〇二十だから黙(ダマ)って百千か八る持(も)ち帰(かえ)る

三七る〇十未(み)せるんだか七十ね十一るカゼで寝(ね)ている一百う十二妹(イモート)に


五九へ八か児(こ)の部屋(へや)か九二八二〇児々(ココ)に端(はじ)まる二九一げき鴉(ア)の悲劇(ひげき)

九十九千ゅう六九白虫夢(はくちゅうむ)の一七二ら〇ヒナあられ

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