ストロベリーポンポン
涼
すっぱいとすぐぐちゃぐちゃになる甘いものずきな女
「あっまーーーーーーーーーーーーーい!!!!ちょーーーーーーーーーーーーーーーおいしいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
ストロベリーが好きだ。あまあいストロベリーを食べると、
紬との関係は…………、もったいぶらせてすまん。
『梅干し』だ。
昔、ばあちゃんが漬けてくれていた、梅干しを、毎日毎日食べていた。一粒食べると、頭をぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ…。それが紬の癖なのだ。
「お前は高血圧になるぞ」「お前は糖尿病になるぞ」「お前はメタボだぞ」「お前は男できないぞ」「俺が兄で良かったな」
俺は常々、紬に言っていた。本人も、そう思っていたに違いない。紬は、太っているという事実から生まれる、「恋愛」が出来ない、と言うコンプレックスで、(何故か)時たま、戒めのように、すっぱいものが食べたくなる。のだと言う。
梅干しを食べると、紬は、大泣きする。
ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃと頭を、髪の毛を指に引っかからせて、涙を流す。
こんなこと言うのもあれだが、兄として、そこは何となく可愛い。
本当は痩せたいし、奇麗になりたいし、男の人とも付き合ってみたいだろうに…。
梅干しを食べ、泣く妹に、俺は1番の慰めを施す。
『ポンポン』
だ。
そう、只々、泣いている紬の頭に、『ポンポン』と手を乗せる。
「大丈夫だ。お前は、大丈夫だ」
ストロベリーポンポン 涼 @m-amiya
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