第41話
広治へ
俺はお前には伝えられる事は全て伝えた。
男はワイルドであれ。
俺みたいに物事をはっきり伝えられる人間になれ。
俺みたいな人間は初めは煙たがられるが、会社にとっても、社会にとっても必要だ。
俺みたいな人間には仲間が集まってくる。
毎年、誕生日にはたくさんのお祝いのメッセージが来る。
俺が世話してきた奴は、俺には足元を向けて寝られないはずだ。
連絡してこないやつは、金の切れ目が縁の切れ目、という奴らだ。
もしくは、俺に反旗を翻すような奴らだ。
ろくな死に方をしないだろう。
広治、お前も俺に反旗を翻すことをした。
ろくな死に方をしないだろう。
ろくな人生を歩めないだろう。
アツコヘ
お前は俺がいなかったら誰ももらってくれなかっただろうな。
俺がいたから、子供を育てる事ができたのだろう。
世の中はプライドの高い人間ばかりだ。
お前の育て方が悪かった広治もプライドが高いのだろう。
俺のような物事をズバッと指摘する人間を嫌う。
その分、俺はプライドがない。
俺は自分の力が足りないことを知っている人間だ。
お前の実家の不動産会社くらいの規模くらいしか背負えないだろうな。
だから、お前を見つけてやったんだ。
それまでの俺は、殺人と強姦以外は全てやってきたし、周りから恨まれてもいるだろう。
当時は金回りも良かった。
散々モテてきた。
俺の指示に従えない下っ端は片っ端から捨ててきた。
その分、仲間にも裏切られた。
だから人生の償いをこめて、金をそれなりに持ってるが、ブスで、性格もどうしようもないお前をもらってやったんだ。
絶対結婚できないお前と結婚してやったんだ。
そして子供まで作ってやったんだ。
ありがたいと思え。
だが、お前ら二人は家族なのに裏切った。
ろくな人生を歩まない。
バチが当たるだろう。
いつか、お前らが、俺がしてやったことのありがたさに気づけば、それでいい。
だが、その時には俺は、お前らの周りにはもういないだろうな。
アドバイスがほしい、と後悔しても遅いだろう。
それにしても今日は、暑い日だ。
最近はエアコンの効きが悪い。
アイ ラブ ミー 穏眠そろ @onmin-soro
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