第18話 次の日
今日も俺はいつも通りの時間に教室に着き、読み終えていない本を読み始める。
本を読むことは基本的にこの時間だけで、その他は悠真が話しかけてくるので気分が落ち着くのはこの時間しかない。
そんな読書の時間だが、急に肩が叩かれたことによって遮られる。
こんな俺に話しかけてくるのは悠真くらいだろう思い後ろを向くと、まさかの九条さんが居た。
「おはようございます、斎藤くん。」
「お、おはよう、九条さん。」
まさか学校で声をかけられるなんて思っていなかった俺は、戸惑いながらも挨拶を返す。
九条さんは俺の挨拶を聞いて、ニコッと微笑んだ。
思わず彼女のその笑顔に見惚れてしまう。
「なに、どうしたんですか、そんな顔して?」
「ふぇ、な、なんでもないよ。そ、そんなことより俺になにかあるの?」
俺は九条さんの声で意識を戻し、惚けていた顔をすぐに正す。
九条さんはそんな俺の様子を見てまた微笑んだ。
その表情を見られたことが恥ずかしく、つい話を逸らしてしまった。
「なにか用がないといけないのでしょうか?」
「い、いや…。」
九条さんの綺麗な顔と上目遣いでそんなことを言われてしまうと否定したくてもできない。
まぁ、否定するなんてさらさらないけど…。
「では、また空いてる時間に話に来ますね。」
九条さんはそう言って自分の席に戻って行った。
もうその頃には8時10分くらいで半分くらいのクラスメイトが来ていた。
そして男子生徒の半数くらいがこちらに羨望と嫉妬の目線を向けていたことを俺は気づかなかった。
「おはよう、健。」
「おはよう、悠真。」
「なんか大半の男子がこっちを見てちょっと睨んでるように見えるんだけど…、健なんでか分かるか?」
「さっき、たまたま九条さんに挨拶された。それだけ。」
「あー、なるほどね。」
悠真は何故か納得しているが、俺はなぜあんな視線を向けられるか…、あっ…。
昨日普通に喋ってたせいで九条さんが学校一の美少女でみんなに好意を寄せられてるの忘れてた…。
それから時間は少しだけ過ぎ、1限目の前の休憩時間になっていた。
「でも、九条さんが健に話しかけてくるなんてな…。」
「ほかの女子のと同じように悠真のこと気になって話しかけてきたとかじゃないの?」
俺はたまに女子に話しかけられることがある。
だが、そのほとんどが悠真に関することばかりで幼馴染というのが少しだけしんどく感じる。
そんな俺の話を聞いて悠真は九条さんの席を見る。
それに続いて俺も九条さんの方に目を向ける。
すると友達と話していた九条さんが横目で見ていて、2人と目が合ったのに気づいたのかすぐに目を逸らしていた。
「やっぱり、九条さんも悠真に気があるんじゃない?」
「そう?、俺から言わせてもらえば健だって十分優しいし誰かが気をあってもおかしくないと思うんだけどな〜。」
「んー、こんな俺に気がある人なんているか?、ただでさえ近くに悠真がいるせいでおまけみたいになってるのに。」
そんなふうに話しているうちに1限目の予鈴が教室に鳴り響いた。
「斎藤くんは魅力的な男性ですのに…。」
健の休み時間の発言を聞いた九条が不満げな呟きが本人に届くことはなかった 。
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Spaceです。
やっぱり時間をたちすぎると、考えてもいい案が出てこない…。
前の時よりクオリティが下がっていると思います。
次回のは今回よりもしっかりしたものを投稿するのでこれからもよろしくお願いします。🙏
学校一の美少女が幼馴染ではなく、俺ばかり見てくるんだが… ~幼馴染を見るふりをしてこちらを見ている美少女がいます~ Space @kiraBasket
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