第25話 Load effect started
烏鷺棋のために植えられていたユグドラシルの根元にチェンソーが添えられる。
「何も切らなくてもいいじゃないの!!」
亜種白路の群衆の中には時空旅人の称号をなんとか獲得した幾人かの敵も存在していた。
ユグドラシルの伐採は時空旅人の称号を剥奪することになる。なぜならInfiniity RebornとEffect Revarsalはユグドラシルさえあればファリサイリバーが開門しても命だけは助かるからだ。
時空旅人には時間がある。次のEffect Reversalによってファリサイリバーが閉門する時期を待てばいい。
ユグドラシルさえあれば時空旅人たちは臓器腐食に落とされることはなかったのだ。
烏鷺棋のためのユグドラシルをあたしは久しぶりに見た。初めての印象とは異なり、かなり小さいことに気づいた。幹の動きは奇妙で横に斜めに広がりを見せている。
ああ、あたしが大きく見えたのは上を見ていたからじゃなくて横の幅に圧倒されていたからだと理解した。
怖くても目を開けてしっかりと見ることが必要だよ。
そう教えてくれたのはスカーニーだったような気がする。
ユグドラシルが伐採された後、時空旅人たちは一斉にファリサイリバーに流れ込む。その後流れ込んだ時空旅人たちは元老院の海に到達し、臓器と魂に仕分けられる。臓器はユグドラシルと共に焼却され、魂は三閉免疫症候群たちがケルビムとセラフィムと共に埋め立て材に加工することが計画されている。
烏鷺棋がなくなれば、ケルビムもセラフィムも清掃と整地に関して合同計画を立案することができる。
保守のためにファリサイリバーを清掃し、治療のためにサドカイショアを埋め立てていく。
Infinity Rebornを分断していた埋め立て橋の取り壊しも決定している。
橋の名前はCare Bridge
Care Bridgeと共に時空旅人の魂を焼却すべきだと提案したのは群青とセオだった。
その意見にめぐみが賛同して11月1日を待ち望むこととなった。
「鳥を撃ち殺してしまったのがよくなかったのだろう」
時空旅人たちは恨み節をスケープゴートを作ってはぶつぶつと言い合っている。
鉄原野は空を飛ぶ鳥に喩えられる。互いに行き来するその鳥たちに免じて、神は慈しみを持って時空旅人のInfinity rebornを許容していた。
時空旅人は神の慈しみを打ち殺してしまったのだ。すでに事件から1年以上が経過している。
care Bridgeが取り壊されればガブリエル検域もファリサイリバーによって飲み込まれることとなる。検域の存在が不必要になるから支障はない。
そもそも烏鷺棋のユグドラシルが伐採されれば大陸と海の連続性がひとつの基軸となるからだ。
受胎告知をしたガブリエルはその役目を終えることになる。ヨセフとマリアはひとつとなりイエスを育むことを神から全任された。
「何もユグドラシルまで伐採する必要はないじゃないの!!」
ケルビムとセラフィムがそう喚き散らすガブリエル検域の従事者たちに冷ややかな視線を送る。
ラファエルとミカエルの検域に虚偽報告をしていた犯人がガブリエル検域の従事者であることは世界中が勘付いていたからだ。
ケルビムはミカエルの申し子であり、ラファエルはセラフィムの申し子である。
御簾では覆いきれなくなったガブリエルの最後の抵抗手段が烏鷺棋だったわけだが、その烏鷺棋の解体処分によってひとつの区切りを迎える。
逆転効果は2024年から準天として効果をより具体化させていく。
October 28th
Gabriel, who has completed her role as the Annunciation, is cut down along with Yggdrasil. The system of life has reached a turning point.
Cherubim, Seraphim, Michael, and Raphael are also preparing to go home.
The dismantling of Care bridge established a trend.
There is only one heaven equivalent to the crown.
時空旅人によると、、、-軍記- 恩賜芍薬/ Grace Peony(♂= @falg-book
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