第4話 本屋になってよかった事
本好きなお客様と出会えることです。
…………などと書ければ良かったのですが、本屋と言うのは基本的にレジか、問い合わせだけのドライな関係でございました。
好きな本の限定版でもお客様優先。
漫画が入荷しても売り切れが予想される人気作は二回目の入荷までお預けという社畜精神を発揮していました。
(コミック本でも人気作は注文しても絶対その数が入るわけではないのです。再販制度で返本ができるので、出版社も確実に売れる数しか入荷しないので)
だから、どうしても欲しい本はAMAZ●Nで予約するか、別の本屋でお願いすると言う
「私は何の会社に勤めていたっけ?」
と思う事がたびたびありました。
と、愚痴になりましたが、一番の恩恵は『雑誌の付録は雑誌と一体化してなかったら本屋で処分できる=店員は持って帰れる』という者でした。
2000年当時は小さな箱にフィギュアが入っている事が多く、他にもクリアファイルとか下敷きなども貰えました。
萌えゲーの下敷きなどを貰うときは女性の方からかなり冷たい目で見られたようなきもしましたが、BLが好きな方も特別付録の小冊子を確保していたので同族嫌悪というやつでしょう。
ちなみに、クリアファイルはいまでも重宝してます。
スパイ●ーマン2とかジョニーデ●プの絵が付いたものは懐かしいと好評ですが、ほとんど裸に近い服のおねーちゃんのイラストが載ったものは個人的な史料の整理にしか絶対使えませんが。
あと、店員の特権としてマニアックな雑誌やコミックを入荷して、趣味のような売り場を作れるというものがありました。
仮面ライダーMAGAZINの初期版とか全力でサビ残して売り場を作ったりしてました。
あと、定期購読してて顔なじみになった人とは交流があったりしました。
以上。
…………社員価格で割引料金で購入?
可能でしたが、面倒な書式に全て手書き伝票でタイトルを書かないといけないので、大人向けの本は買えませんし、割引割合は●%(当時の消費税以下)以下だから普通に買った方が早いじゃんと、伝票確認する同僚から白い目で見られるし、そもそも大人買いするようなスペースはすぐになくなったため6年勤めて3回くらいしか使った覚えがないですね。
最近は本屋さんもチェーン店が多いので、不正防止で色々厳しくなっていると思いますが、正月に婦人系雑誌4種を最低100冊は売りさばかないといけない。というノルマが雑誌廃刊で一誌だけになった分、負担は減ったと思いますので、興味のある方は本屋の世界に飛び込んでみるのも良いかと思います。
あと、年に一度、棚卸で徹夜をする必要がある月間があるので、年を取ると非常につらくなりますので、体力に自信のない方は徹夜作業は外部委託をしているかどうかを確認した方が良いかと思います。
20代の時でも、帰りに居眠り運転しかけて死にそうになったことが3度ありました。
KAC20231 20年前の本屋事情 黒井丸@旧穀潰 @kuroimaru
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