第3話 困った、客でないものたち

 今日も花粉症が絶好調で、思いついた話が気に入らないため、さっとかける恨み言のぶつk…もとい、スマホに業界が食われる前の本屋さんの話をします。


 前回は万引きという窃盗犯罪者の話をしましたが、そうでないけど客でもなかった困ったチャンの話です。

 本屋さんのバイブル、暴れん坊本屋さん(久世番子先生著)と、被る話が多いのでそれ以外を書きます。


@1;立ち読み勇者さん(マックスハードver)

 立ち読みは本の内容を知るために必要だし、それがきっかけで購入につながるのでそこまで嫌なものではないのですが、さすがに毎日6時間以上立ち読みをして、ラノベシリーズを全巻読破する野郎…失礼、立ち読みさんは客ではないと思いました。

 彼は、開店と同時に文庫コーナーに陣取り立ち読みをするのですが、脳内で自分の物語を思い描くのか、一人4役くらいの脳内独演会を『口に出して』読み進めます。

 他の人の迷惑と言うか、怖くて人が近寄らないのでお静かにとお願いしましたが、立ち読み中は意識が異世界に飛んでいるのか、独演会が止まりませんでした。

 なお、当店で本を買ったことは


 本屋が閉店してかなり立ちますが、この勇者さんはたまにTU●AYAさんなどで今も冒険にいそしんでいるのを見かけます。


@2;自習さん

 勇者さんと同等に厄介だったのが、英会話とか英語の参考書コーナーにいる60歳くらいのクソジジ…高齢の男性ですが、この人も毎日2時間くらい立ち読みで勉強をしていました。

 彼が困ったチャンなのは、『大声で英会話の勉強をする事』


 ええ、会話の練習を店内で毎日のようにやっていて、アルバイトの子が「頭がおかしくなりそう」と泣きついたのは後にも先にもあのおっさんだけでしたし、年上の男性から本を奪い取ったり、買わないなら出てってくれという言葉をオブラートに5重くらい包んで言ったのもあれが初めてでした。


 なお、店が閉店してから3年後。

 別の地域書店で変わらずに英会話の勉強にいそしんでいるのを見ましたが、別に感動の再開などではなく、『ああ、こんどはこの店が犠牲者となったか』と、心痛を察しただけでした。

 彼が英語を活かす機会があるのか、そもそもただの暇つぶしで来てるんじゃないかなどと思いながら、たまに思い出す人でした。


@3 閉店間際に来る人


 この方は、ちゃんと本を買う時があるのでここに載せるのはどうかなと思ったのですが、ちゃんと買ったのは2回程度だったのと、迷惑度が半端ない時があるためここに載せます。


 本屋と言うのは3交代制とか24時間営業と言う所も多いですが、同族会社でパワハラ上等、労基法何それな当社では朝の8時半から夜の12時まで働かせていただける日が月に5回ほどありました。潰れろ(潰れた)


 そんなわけで社員はヘロヘロの状態で店を閉める時、閉店5分前に「まだやってますか?」と来るのが今回の方。

 いえ、買うものが決まっているならいいんです。

 業界的に売り上げが落ちてるので少しでも売り上げを伸ばしたいから、買って下さるなら本当にありがたいんです。


 でも、閉店時間を30分も過ぎてエロ本を物色して結局買わないというのは十分嫌がらせだと思います。


 最初はこちらも、「あの、そろそろ閉店なので」とやんわり言ってたのですが、それを気にせずずっと居座られるとレジの清算もできない(購入する可能性があり金額が変わるため)し、一応防犯の為、一人はコミックの整理をしながら無駄に時間を過ごすことになります。


 2回目までは本は買ったものの、それ以降はいくら待っても買う気配がないため、お客様のカテゴリーから外して対処するようになりました。

 近所に24時間営業の本屋が出来たけど、そこではアダルトな本は扱ってないため、彼とだけは再び会う事は無かったですが、元気してるでしょうか?


 ほかに、二人一組で万引きをしようとした夫婦とか、雑誌を写真に撮ったり、本の上にトレペを置いて模写(鉛筆で)しようとする人とか、思い出は数珠つなぎに流れてきますが、本当に客商売と言うのは大変だなぁと、今でも思います。


 まあ、困った人で言えば同時にやっていたレンタルビデオの方がたちの悪いのが多かったですが…。


 また機会があったら、そっちも書こうと思います。

 人件費節約の為、レンタルビデオ、文具、CD、書籍。全部ひととおりやらされていたので…。

 

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